管理会計こそが経営判断に役立つ業績管理手法
会社は、毎年1回、財務会計ベースの決算書を作成しなければなりません。
これは、株主や税務署等の公的機関、取引先等の利害関係者に経営成績をディスクローズしなければならないからです。
ただ、この決算書は、様々な利害関係者が正確に経営成績を把握するための統一ルールによって作成されており、経営者による経営判断がしにくいのです。
私たちは、経営判断をするためには、どのように利益が創出されているのかの構造を明確にすること、利益はどのセグメントからどれだけ創出されているのかを明確にすることが重要だと考えています。
これらを明らかにするのが管理会計であり、管理会計は経営の方針によって作り方が異なるため会社の数だけ存在します。まったく同じ業種でライバル関係にある会社であったとしても、経営方針が違えば管理会計の方法は異なるのです。
私たちは、自社の経営方針にあった管理会計で経営判断をすることが、経営の差別化につながると考えています。
収益構造を明確にする
会社は、様々な投資(資産や経費)を行うことで付加価値を創出しています。
この創出した年度毎の付加価値から固定費(投資資産は減価償却費として経費計上)を差し引くことで利益が計算されます。
その結果、獲得した付加価値よりも固定費が多ければ赤字、逆であれば黒字となり、そのバランスをとることが利益を創出するための経営判断そのものとなるのです。
従って、私たちは経営判断をするためには自社の付加価値と固定費を把握する必要があると考えています。そのためには投入している経費を変動費と固定費に分類することになります。
- 変動費は、売上に比例しますので、その内容と比率で判断します。
- 固定費は、付加価値を創出するために投入しており、その度合を金額や稼働率等で判断します。
私たちは固定費を、「戦略経費(将来のために投入)」、「人件費(付加価値を創出する源泉)」、「節約可能費(知恵をだして圧縮)」に分類し、それぞれの付加価値に対するバランスが適正かを判断することをおすすめしています。
会社によって管理会計手法が異なるのは、これらの分類に経営方針がかかわってくるからです。
何が変動費で、何が固定費なのか、固定費の分類はどう考えるのか。
この思想は会社の経営方針に大きく関わってきます。これらを明確にすることが私たちコンサルタントの腕の見せ所です。
セグメント別会計を導入する
会社の収益構造を明確にすることで、なぜ利益がでているのかが明確になります。
その次に経営判断に必要となってくることは、その利益がどこででているのかという視点です。つまり、セグメント別会計の導入です。
セグメント別会計は、会計自体をセグメント別に集計する方法や基幹業務システム等を利用して集計する方法があります。
全て最終利益までセグメント別に集計する必要はなく、経営スタイルに応じて、このセグメントは売上や付加価値まで、このセグメントでは最終利益までと設計することが一般的であり、このセグメント毎にどの単位までの利益を集計するのかも、経営方針によってかわります。
また、セグメントの設定は、会社の経営戦略に大きく関わってきます。製品別・取引先別といった設定から、地域別や事業別、最終消費者の顧客属性や流通チャネル毎等、その選択肢は非常に多岐にわたる分、経営方針に大きく依存することになります。
私たちは、これまでの経験とお客様の会社や事業内容を深く知ることにより、どのようにセグメントを設定するのかを、親身にアドバイスできることを一つの強みにしています。
業績の視える化で「会社の問題解決力」を上げることが可能に
会社は、永続することが大前提であり、そこに集う社員や取引先を幸せにすることを最大の使命として存在します。
その実現のためには、業績の視える化を行い、どこがいいのかわるいのかをセグメント別会計で把握し(Where)、それがなぜなのか(Why)を収益構造分析で行うことによって、より効果的な改善策(How)が立案できると考えています。
業績の視える化を行うことで、「会社の問題解決力」を上げることができます。