同族経営企業のガバナンスの話題がここのところ新聞を賑わしています。
フォルクスワーゲン、大戸屋、セブン&アイ・ホールディングス、日韓ロッテ、出光などなど。創業家と現経営者の争いや、創業家の家族内での争いなど問題は様々です。
それぞれの企業によって事情は異なるでしょうから、いま現在失敗や争いがあるからと言って、同族経営の良し悪しを一概に語ることはできません。
しかし、リーマンショックや東日本大震災といった苦境を乗り越え、多くの企業が再成長を強く望み、今まさにそれを実現するための戦略を実行する時期にあります。
経営者にとっては勿論のこと、株主(投資家)にとっても今後の経営戦略の巧拙が、大きな関心の対象となっていくことは間違いないでしょう。
同族企業のガバナンスの問題は何も上場企業に限ったことではありません。
株式は財産という側面も持ちながら、経営に関与する権利(経営権)と直結しており、非上場の中堅中小企業であろうとも株主の経営に関与する権利は何ら変わりがありません。
株主の理解なくして、企業の重要な意思決定はできないことを再認識する必要があるでしょう。
今存在する会社の創業期にあたる昭和の高度成長期とは違って、一人のオーナー経営者が30年40年の任期をまっとうするケースは今後大きく減ることでしょう。
より短い期間での経営のバトンタッチ、創業家以外の経営者へのバトンタッチの必然性が増していくと思います。
そのなかで、株主から経営に対する理解を得て良好な関係を保ち続けることは、企業にとっての中長期の重要なテーマとなることでしょう。
20年以上、様々な企業を支援してきた経験から申し上げると、
1.創業家の中で分家や世代交代が進んでいる企業
2.過去の資本政策によって株主が広範にわたり分散している企業
3.創業家と経営者層が分離し始めている企業
4.株主との関係性が徐々に希薄化している企業
これらの企業には、未来指向の意思を持って株主構成を再デザインする「資本政策」の検討をお奨めします。
幸いにも、今は関係する法律も整備され、資金の出し手やその手法も充実してきています。
“お家騒動”に巻き込まれることなく、経営者が事業に安心して専念できる環境整備をすることが、企業成長において最も重要です。
アタックスグループは中堅中小企業の資本政策や事業承継のお手伝いをいたします。
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筆者紹介
- 株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 取締役 廣瀬 明
- 1968年生まれ。企業再生、財務・事業デューデリジェンス業務、M&A、株式公開のサポート等に従事。中堅中小企業への豊富な支援業務を通じて培った知識と経験を活かし、現在大阪事務所のプロジェクトマネージャーとして活躍中。
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