事業承継に着手する最適年齢60歳~中小企業庁ガイドラインより

事業承継に有効な自社株対策 事業承継

皆さんは、12月5日に中小企業庁のホームページに「『事業承継ガイドライン』について」という記事が掲載されたことはご存じでしょうか?

平成18年に事業承継協会より発表された「事業承継ガイドライン」を現状に合わせた形で公表されています。

一番印象的だったのが、社長は事業承継に関しては明確に60才を事業承継着手の目安とすべきである、と指摘している点です。

「中小企業経営者の引退年齢は規模や企業の状況にもよるが平均では67~70才程度である」とデータで説明されています。

過去の社長の声を集めますと、事業承継には5年から10年は必要と思われているのが、実状のようです。 そういう意味では、平均引退年齢を考慮すれば、60才着手というのはやはり合理的な根拠を持つようです。

以前、私は社長の退任時期は、今から10年間の事業モデルを作れるかどうかが問題であり、年齢はあまり関係ないのではと考えていました。

しかし、このデータは結果的に社長の退任を考え始める時期があることを我々に指し示しているのかもしれません。

さらにこのガイドラインでは、事業承継実現のための5ステップを明示しています。
 (1) 事業承継に向けた準備の必要性の認識
 (2) 経営状況・経営課題等の把握(見える化)
 (3) 事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
 (4) 事業承継計画策定(親族内・従業員承継)またはM&A等のマッチング実施(社外への引継ぎの場合)
 (5) 事業承継の実行
です。

(1)に関しては、事業承継診断票も用意されており、自社が本当に事業承継を考えるべきかどうかの客観的な情報を入手することができます。

(4)に関しても、事業承継計画の例が記載されており、非常にわかりやすくなっています。

事業承継で重要なのは、事業を守り雇用を守っていくことであり、その承継先は事業を守ってくれるところを最優先に考えていくべきとの発想が非常に明確になってきたと思います。

社長の皆様は、この年末年始の比較的時間に余裕があるときに一度、事業承継について考えてみてはいかがでしょうか?

アタックスグループは、事業承継の計画から策定まで、また親族内承継、親族外承継のどの場面でも経験豊富なコンサルタントを有しております。ご質問等ございましたら、遠慮なくご一報ください。

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筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー 公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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