先日、ある社員から面白いからと渡されたWEBの記事を読んでみました。
その記事は、lifehackerというウェブサイトに記載されていたコラムです。
その題目が
「お金のために働いている人」は実は少ない?社員が昇給よりも望んでいる4つのこと
というものです。
もともとのオリジナルは英文の記事で、欧米人が感じていることをまとめたものを日本語訳したものです。
この記事によると、社員は、報酬よりも非金銭的な面を職場に求めるということのようです。
その非金銭的な部分とは、コラムの言葉をかりれば、次の4つです。
1.社員が誇りに思える雇用主。自分の価値観にあった社風であること。
2.進歩・向上への明確な道。成長機会の欠如がないこと。
3.同僚との仲間意識。
4.上司との良好な関係。
先週、クライアントの中国子会社を出張訪問してきました。
会社の経営幹部の人たちと話をしているとき、離職率の話になりました。
そこで、私は上記コラムの話をしたところ、中国の人たちも同じ傾向があるといわれたのが、印象的でした。
アジアの国々も欧米と同じでどちらかというと、所得UPを目指して転職する傾向が強いと思っていた私にとって、この経営幹部の話には驚きました。
中国の人は、面接の段階から「貴社はどのようなスタンスで会社を経営し、また私自身にどのような成長機会を与えてくれるのでしょうか?」といった質問が多いということでした。
但し、マーケットバリュー相当の給料を支払ってもらえるという条件付きであるとのことですが。
今後、更に成熟しそれなりの所得が得られる日本においては、目先の金銭を追い求めるよりも、「やりがい」や「成長実感」等の非金銭的な満足感を与えられる人事制度等の仕組みがさらに重要になってくる、ということだと思います。
但し、当然、人事制度だけで企業が成立するわけではありません。
利益を稼ぐビジネスモデルが不可欠です。
しかしそれを長期間にわたり、安定的に実行可能とするためには、従業員の「やる気」はもっと重要になってきます。
そのやる気の源泉が、金銭的なものか非金銭的なものかを、経営陣は見極めることが重要です。
これができた企業こそが、今のような厳しい競争下で、他社と差別化に成功し、生き残っていける企業だと思います。
アタックスグループは、人財採用基準設定から人財教育、人事制度設計・運用に関して、クライアントの皆様の顕在的・潜在的課題解決を実現できるよう、サポートさせていただいております。お気軽にご相談ください。
筆者紹介
- アタックスグループ 代表パートナー 公認会計士・税理士 林 公一
- 1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
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