「ゆとり世代」を教育しない「ゆとりマネジャー」の存在

人材育成

日曜日深夜枠で放送している「ゆとりですがなにか?」 というタイトルのドラマをご存知でしょうか?

朝の連続ドラマあまちゃんの脚本家、宮藤官九郎さんが脚本した作品です。
この作品は「ゆとり世代」の特徴を極端に演出した面白い作品です。

ところで、「ゆとり世代」をテーマにした情報は、このドラマ以外でも、頻繁にメディアを賑わしています。
その論調には、概して否定的なものが多いようです。

「『ゆとり世代』は失敗作?」
「教育が悪かったわけではない」などなど。

実際、私がセミナーで知り合う企業も「ゆとり世代」や若手社員の指導について、いつも問題を抱えているようです。
しかし、私は「ゆとり世代」に問題があるのではなく、部下を正しく教育しないマネジャーの方に問題があると考えます。

なぜなら、きちんと指導された「ゆとり世代」の若手社員は、はじめは、物足りない部分があっても、成果を出すビジネスパーソンへと確実に成長していくからです。

私自身、コンサルタントとして企業のご支援や研修をする中で、こうした事例を幾つも見てきています。
若手社員の指導がうまくいかないと感じている経営者は、是非マネジャーの部下教育に着目して欲しいと思います。

ここでひとつ事例をご紹介します。

かつて、若手社員が方針どおり動かない、
という悩みを抱えた経営幹部からコンサルティングの依頼を受けました。

その企業の中でも特に成果の出ていないA課長に部下の指導方法を尋ねると、
「自主性を養うために仕事のやり方は任せている」
「少しでも自分で考えさせるためにあまり細かい指示はしない」
「無理にやらしても意味がない」
という答えが返ってきました。

一見すると、教育上、重要な要素に思えるかもしれません。
しかし、良く考えると、A課長は部下に対して何も指導していないことがわかります。

実際、A課長の部下たちは全く指導を受けておらず、
「何をやっていいのかわからない」
「方針があっても、いつも何も言われないから、やらない」
という状態に陥っていました。

これは本来、成長し成果が出せるはずの部下たちが教育されずに放置されていた、残念な組織の事例です。

私はこの事例のA課長と同じようなマネジャーを、そして、教育が不十分で、このままでは将来が心配な部下を嫌というほど見てきました。

ですから、洗練された教育手法を実践しているかのように振る舞っているが、実際は部下指導を放棄しているマネジャーを少し皮肉の意味を込めて「ゆとりマネジャー」と名付けています。

マネジャーにとって必要なことは、部下に対して、適時・適切にフィードバックを行い、成果につながる思考と行動へ修正させることです。 「ゆとり世代」も、具体的にフィードバックすることを心がければ、上で述べたように、確実に成長していきます。

是非、自分の会社のマネジャーが「ゆとりマネジャー」にならないよう気を付けていただきたいと思います。

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筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 山北 陽平
富士通グループ主力販売会社を経て、株式会社アタックスへ入社。前職では企業向けのモバイルソリューション販売に従事。 【エリア別法人営業 :250人中/1位の販売実績】企業間アライアンス構築、新規ビジネス推進プロジェクトを数多く経験し、新規顧客開拓、販売チャネル開拓を得意としている。アタックス・セールス・アソシエイツ入社後は、前職での営業経験を生かし、『正しい手順に基づいた組織営業』を定着させること、『正しい販路開拓をコーディネート』することをテーマに現在クライアント営業組織の目標予算達成に必要な、行動改革から戦略構築支援を展開している。また、研修講師として、独自開催している若手営業パーソン向けセミナー【絶対達成スピード講座】は営業パーソンの意識と行動スピードを短時間で改善させる体験型セミナーとして、多くの経営者、営業マネジャーから「なかなか変わらない部下に是非受けさせたいインパクトの強いセミナー」と大変高い評価を受けており、常に集客前直後には満員御礼になってしまう人気セミナーの講師としても活躍している。

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