今年の1月から、日本話し方センターがアタックスグループの一員となり、その時から私は同センターの運営に携わっています。
日本話し方センターは、江川ひろしが創業して今年で64年目を迎え、卒業生は30万人を越える、この分野では老舗中の老舗です。
この半年間、話し方教室の現場に張りつき、様々な受講生の方々に接してきました。
受講生は、人前であがらずに話したい、人とうまくコミュニケーションが取れるようになりたい、人にインパクトを与える話し方を学びたい、など様々な問題意識を持って教室に通われます。
言い換えれば、「自身が問題だと思っている状態を改善したい」というのが受講の動機です。
教室では、話し方のポイントを伝授するとともに、毎回、短いスピーチの練習を行います。これを繰り返すことで、人前で堂々と話すことができるようになる、簡潔な話しができるようになる、良い人間関係ができる、などの効果が現れてきます。
この練習に真剣に取り組めば取り組むほど効果が大きいのですが、ご自身に対する悩みが深い人ほど、真剣度合いが高いように感じます。人は知識を得ただけでは、また、考えがひらめいただけでは、変わることはできません。
話し方教室を受講して、出された課題などに真剣に取り組み、人前でスピーチする体験を繰り返すことで、確実に話し方が変わります。
そして、実際に行動して「できるようになった!」という実感を重ねることで、初めて少し変わることができるのです。
こうして、話し方が変わったことによって、自身の問題が解決できた=自分が変わった、という達成感を得た受講生は数えきれないほど大勢います。
しかし私が素晴らしいと感じるのは、この後の意識の変化です。
自分の話し方が変わったと自覚できた人は、問題の克服だけで満足せず、
「もっと人前で上手に話したい!」
「もっと人に良い影響を与える話がしたい!」
と、自分で次の目標を持つようになる方が少なくありません。
つまり、
「自身が問題だと思っている状態を改善したい」から、
「自ら目指すべき姿を描いてそれに近づきたい」という、
より積極的な思考にステップアップするのです。
「話が苦手」という状態を克服するという成功体験を通して、「もっと上手に話したい!」と考えられるようになれば、他のことにも以前より積極的にチャレンジできるようになります。
すると、その人の生き方そのものが良い方向に変化していきます。
実は「話し方」は、人の変化の中でも、最も気づきやすいものの一つです。
今まで小さな声でぼそぼそ話していた人が大きな声で話すようになる、要領を得ない話をしていた人が、わかりやすい話をするようになる、といった話し方の変化は、人に気づいてもらいやすいのです。
そして、気づいた人は、「最近、声が大きくなったね。」「話がわかりやすくなったね。」などとフィードバックしてくれることが多いので、それが本人の達成感につながるのです。
2年ほど前、ハーバード大学が75年かけて行った「何が人を幸せにするのか?」という研究の結果が発表されましたが、それは「人生において人間関係が最も重要な要素である」というものでした。
話し方が変わると、人とのコミュニケーションが良くなります。
つまり、これは、人間関係が良くなる、ということに他ならないので、ハーバード大学の研究結果を是とするならば、話し方が変わることで、人生が好転するとも言えるのです。
皆さんも、是非「良い話し方」に意識を向けてみてはいかがでしょうか。
アタックスグループの日本話し方センターは、受講生の話し方を確実に変える「話し方教室」や「2日間集中セミナー」を開催しています。
ご興味のある方は是非、日本話し方センターのホームページをご覧ください。
筆者紹介
- 株式会社アタックス 執行役員 グループサポート本部 本部長
株式会社日本話し方センター 代表取締役社長 中小企業診断士
横田 章剛 - 1983年 神戸大学卒。メガバンクで、国内・海外の勘定系システムの開発、ガバナンス業務、銀行決算・銀行税務の取り纏めなどに従事。2007年 アタックスに入社し、グループ全体の経営企画、総務、経理、法務等の間接部門を統括。