介護サービス事業者に支払われる介護報酬の制度の見直しが検討されるようです。 いまは、高齢者の介護の必要度を示す要介護度が高い方、すなわち重度の方の介護ほど、介護サービス事業者に支払う報酬が増える仕組みです。
数年前、ある介護事業を行う経営者の方に次のような話をいただいたのを思い出しました。
「いまの介護サービス報酬の制度はおかしい。高齢者の方に少しでも元気になってもらいたい、でも元気になったら、我々が受け取る報酬が減ってしまうのだよね。」
社員が、介護を必要とする方とその家族のため、少しでも良い方向に改善してあげようと努力しても、会社に入るお金は少なくなってしまうわけです。社員の給料もなかなか上がらず、高いモチベーションを維持することもできません。
2018年度からの採用が検討されるのは成果型報酬制度です。
要介護者の心身の状態改善という「成果」と、それに向けた「過程」をみる指標を組み合わせ、介護の質を評価し、その評価に基づき介護報酬を支払うというものです。
この話を通じて、あらためて感じるのは、社員の目標(その結果としての成果)は、組織の目標と同じ方向性にあるべきということです。
社員が出した成果が、会社や部門の成果につながらないといけません。
したがって、会社や部門が掲げる目標がA、B、Cであれば、個人の目標もそれに沿ったもの、連動したものであるべきです。直接的でなくても構いません。でも、同じ方向性であることが大切です。
ここで、私なりに重要と考える点を3つあげます。
1つめは、会社や部門の使命や目指す姿を、あらゆる方法で伝え続けることです。繰り返し伝え続けることで、社員に共通認識を持ってもらう、腹落ちしてもらう必要があります。
2つめは、社員が何を求めているのかを把握することです。会社や部門が成果を出すためには社員力が不可欠です。そのためには、社員のことをもっと知る必要があります。
3つめは、社員の成果やそのプロセスをきちんと受け止めることです。そのためには、数字的な評価だけでなく、社員とのコミュニケーションを取り続けることが大切です。
アタックスグループでは、後継社長・幹部のための社長塾のほか、人財育成、人事制度改革などのサポートを通じて、お客様の課題解決のお手伝いさせて頂いております。お気軽にご相談ください。
筆者紹介
- アタックス税理士法人 代表社員COO 税理士 磯竹 克人
- 1987年 名古屋市立大学卒。税務・会計の業務を中心に数多くのクライアントに対する指導実績を持ち、親切で丁寧な指導が厚い信頼を得ている。現在は、事業再構築支援、事業承継支援、資本政策支援などを中心にクライアントの問題解決にあたっている。
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