最近、人の話を聴いたりネット記事を読んだりしていて、どうにも気になることがあります。
それは、余計な言葉や言い回しが多い、ということです。
「させていただく」を不自然に使っていませんか?
特に気になるのが、「させていただく」という言葉です。
私はサウナが好きなので、先日もスーパー銭湯に行ったところ、次のような掲示がありました。
本来有料のものを無料で使っているのなら「使用させていただいている」という表現もわかります。
しかし、この場合はそういうことではないでしょうから「使用しています」の方がスッキリとわかりやすいですね。
職業柄、私が言葉に少し敏感なのかも知れません。
しかし、世の中にはこうした余計な言い回しが気になる、という人は少なくないはずです。
皆さんが話しをする相手が言葉に敏感な人なら、余計な言葉や言い回しは気になるでしょう。
つい一言言いたくなってしまい、次第にあなたの話が耳に入らなくなるかも知れません。
できるだけ言葉はシンプルにした方がよいのです。
不要な言葉や余計な言い回し
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースの受講生にも、そうした不要な言葉を連発する人がいます。
話し方センター受講Sさんの例
先日開催した2日間集中コースに参加されたSさんもそういう方でした。Sさんは物腰が柔らかく、講義中も一所懸命にメモを取っている、見るからに真面目なタイプの方です。
このコースでは最初に受講生に自己紹介をしてもらっています。
その際、Sさんは次のような話をされました。
真面目なお人柄が伝わってきますが、残念ながら、かなり聞き手をイライラとさせる話し方です。
この話の多くの部分は、省略もしくは他の端的な言い回しにできる言葉です。
これらを省略、修正すると、次のような話し方に変わります。
この方がはるかに聞きやすいし、分かりやすいでしょう。
また、丁寧さに欠けることもありません。
このSさんのような話し方は、日常の中で散見されます。
ありがちな例
少し例を挙げてみましょう。
「これが当社のパンフレットになります。」→「これが当社のパンフレットです。」
「当社の業績の方ですが~」→「当社の業績は~」
このような話し方を聞くと、思わず頭の中で修正しながら聞いてしまいます。
また、やたらと接続詞で話をつなぐことも気になります。
ダラダラと話している感じがします。この接続詞も余計な言葉です。
あなたが話している間は、相手の時間を奪っています。
その時間を効率的、効果的に活かすために、できるだけ余計な言葉は省くよう心がけましょう。
日本話し方センターについて
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、2分間のスピーチを繰り返し練習することで、要領よくわかりやすい話をするスキルが身につくコースです。
このトレーニングを通して無駄な言葉を省くことができるようになります。
ぜひご受講ください!
筆者紹介
- 株式会社日本話し方センター 代表取締役社長 中小企業診断士 横田 章剛
- 1983年 神戸大学卒。メガバンクで、国内・海外の勘定系システムの開発、ガバナンス業務、銀行決算・銀行税務の取り纏めなどに従事。2007年 アタックスに入社し、グループ全体の経営企画、総務、経理、法務等の間接部門を統括。2016年、日本話し方センターの代表取締役社長に就任。研修等で話し方の指導に従事。