逃げられない「働き方改革」!~あのグーグルから学ぶべきこと

人材育成

今年最後のアタックスネット配信となりました。そこで、今回は筆者が今年最も悩んだことをお話ししたいと思います。今年から現場中心の仕事から、会社のマネジメントに深く関与する仕事に変わりました。

そこで直面したのが、「働き方改革」です。具体的には、労働時間を短縮しながら、成果を出し続けるにはどうしたらよいのかということです。これはどの会社のみなさんも頭を悩ませていることではないでしょうか?

そんなときに手に取った本が、ピョートル・フェリクス・グジバチ氏著の『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』です。 GAFAの一角であるグーグルが、最も生産性の高いチームとは何かを分析し、著書のグジバチ氏はこのプロジェクトに関与しました。

「心理的安定性」が生産性を向上させる

そこでのキーワードが「心理的安定性」でした。その組織の中にいたい、とか、上司から守られている、という感覚をメンバーがもつことにより、チームのパフォーマンスを上げることができるというものです。

どうやってその心理的安定を保っていくかというと、素朴に他人への配慮や思いやりが必要であると結論づけていました。 上司は、部下との何気ない会話の中で部下の思いや悩みを感じ、後日「この間の話だけど、その後どうなった?」と気にかけることにより、心理的な安定性が高まっていくようです。

それを実現するには、マネジャーは組織のマネジメントに徹し、プレイングマネジャーはよくないとのことです。つまり、マネジャーは組織のマネジメントに徹するべきというものでした。

確かに大企業のように、人がたくさんいる組織ではそのようなマネジメントに徹する人をたくさん任命することは可能です。しかし、ぎりぎりの人員で回している中堅中小企業では、プレイングマネジャーが当たり前です。

中堅中小企業では「心理的安定性」を与えられないのか?

ならば、中堅中小企業では、心理的安定性を高めるマネジメントはできないのでしょうか?

そんなことはないはずです。上司が積極的にちょっとした時間を利用しながら、部下に話しかけていくことは可能なはずですし、今後のマネジャーの必須要件だと思います。

大切なポイントは、上司自身が相手と目線を合わせながら、目標を設定し、目標達成のための手段を合意形成していくことです。この合意形成するプロセスの中で、ちょっとした気配りをすることが、心理的な安定性につながるということです。

働き方改革法案により、年間残業時間の上限の設定、有給休暇取得の義務化等、どんどん労働時間が削減されています。一方、仕事に求められるアウトプットや、マーケットの競争環境は緩まることはないと思います。

ならば、一時間当たりの生産性を上げた企業しか生き残れないということになるでしょう。 「今どきの若者は、――――――」と言っている余裕などないはずです。企業は真剣にチームのパフォーマンスを上げるためには何をすべきかを考えるべきなのです。

アタックスグループは、組織の制度改革や風土改革を通じて、企業の生産性向上に関与していきたいと思っています。何かご相談あれば、(株)アタックス・ヒューマン・コンサルティングまでご相談ください。

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役会長
公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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