コーチングで行動変容!組織の成長を支えるリーダーシップとフォロワーシップ

人材育成

管理職対象のコーチングでよく取り上げられるテーマに、「リーダーシップとフォロワーシップ」があります。

管理職のみならず、経営者や経営幹部の皆様にとっても組織の成長や人財育成における課題のひとつではないかと思います。

リーダーシップ、フォロワーシップの3つのステップ

リーダーシップとフォロワーシップは、様々な言葉で説明されますが、ここでは次のように定義します。

リーダーシップ:
「組織の進路(ビジョン)を設定し、メンバーの心をひとつにまとめ、目標達成へと推進していくこと」

フォロワーシップ:
「組織の目標達成に向けて、リーダーを支え、自発的に行動していくこと」
※フォロワー:リーダーの変容に共感・共鳴し、自らの意思でリーダーに追従する人

これらが機能するためには、3つのステップがあると言われています。

ステップ1.リーダーの行動変容

リーダー自身が行動変容することがリーダーシップの起点。

ステップ2.メンバーのフォロワーへの変容

職位に基づく力だけではなく、リーダーがメンバーへ人として働きかけていくことにより、リーダーの行動変容に共鳴し、メンバーからフォロワーとなる人が現れる。

ステップ3.組織目標の達成

フォロワーも行動変容を始め、組織にフォロワーシップが醸成される。

フォロワーが増えれば、組織の目標達成へのスピードは加速し、結果の質も向上する。

【事例紹介】コーチングで行動変容したチームリーダーAさん

この3つのステップを実現したAさんの事例を紹介します。

自動車部品製造業の会社で働くAさんは、9名の部下を持つ設計チームのリーダーです。

チームの設計作業は、主に各個人に任せられており、若手社員の作業遅れが原因で、納期遅延が頻発していました。

個々の技術力を向上させるため、研修などを試みましたが、遅延件数は減少しませんでした。

この状況の中で、「チームのコミュニケーションに課題があるのではないか」と仮説を立て、自身のリーダーシップの向上と、メンバーのフォロワーシップの醸成に向けて、6ヶ月間集中して取り組みました。

Aさんがコーチングの中で決意し、取り組んだことは次の2点です。

1. 組織のビジョンと目標の共有
2. 信頼関係の構築

方法と具体的な行動

①週1回のチームミーティングの開催

  • 自分達は何のために仕事をしているかを言語化する。
  • アイスブレイクの時間を設け、皆の前で話すことへのメンバーの抵抗感を低くするよう意識して進行する。
  • メンバーからの提案やフィードバックは、頭から否定せず最後まで聴く。

②1on1ミーティングの導入

  • 個人の信念や潜在的な思いを引き出し、傾聴する。

行動の結果

  • トラブルや作業遅れが発生した際、チームミーティングで早めに報告が上がるようになり、迅速な対処が可能となった。
  • メンバーの間で、困っているメンバーに対して、声かけや業務応援をするような様子が見られるようになった。
  • 組織全体でも納期遅延の件数が減少した。

さらに、Aさん自身も前向きな行動を取るようになりました。

上位部署からの無理な要望に対して、これまでは自分だけで悩みを抱えてしまう傾向でしたが、「チームで何かできることはないか」ということを気軽に相談し合うように変化しました。

リーダーシップとフォロワーシップの相乗効果

コーチングを開始した当初、メンバーにとってはAさんの行動を理解することが難しかったかもしれません。

それでも、Aさんの粘り強い取り組みによって、メンバーはAさんに共感・共鳴し、フォロワーシップを発揮するようになりました。

リーダーシップとフォロワーシップは、両輪です。

お互いの努力によって相乗効果を生み、組織の成長へ繋がります。

現場での実践とコーチングとの相乗効果

Aさんが行動変容していく過程には、コーチとの数々の対話がありました。

コーチングで思考を深め、自身の現場へ持ち帰って実践する、この繰り返しの効果によって、行動変容が加速し、定着化していきます。

今回は、管理職対象のアタックスビジネスコーチングの一例をご紹介いたしました。

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筆者紹介

アタックスグループ 産業カウンセラー/ビジネスコーチ 樋江井 弓子

証券会社、銀行、国際協力機関等を経て、アタックスへ入社。複数の企業での勤務経験を活かし、多彩な環境の中で働く人たちが自らの力で課題解決へ向かえるよう支援している。中堅中小企業の後継者、幹部社員への産業カウンセリングの他、 傾聴オンラインセミナーを開催。傾聴の姿勢・心構えの大切さを伝えている。
個人と組織との架け橋となるべく、「言葉にならない思いを聴かせていただき、未来を描ける産業カウンセリング」に取り組んでいる。
樋江井弓子のプロフィールはこちらをご覧ください。

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