2017年に政府が制定した「プレミアムフライデー」は、
どれだけの人が活用しているでしょうか。
テレビ局の調査では、「プレミアムフライデー」の
認知度は90%近くあるにも関わらず、
実行した人はわずか10%というデータが出ていました。
元々、「プレミアムフライデー」は、
個人消費の喚起、働き方改革の両方の効果を狙って導入が開始されました。
一石二鳥の取組みと思われましたが、
今の段階では成功したとは、到底言い難い状況です。
なかなか活用されない状況を踏まえて、次の施策としてあがっているのが
「シャイニングマンデー」です。
これは、「月末の金曜日は忙しくて休みなんてとれない」という声から、
月曜日の午前中を休みにするという政策です。
果たして、この施策はうまくいくのでしょうか。
なにかの改革を行うとき、「仕組み」や「ルール」は必要です。
働き方改革にしろ、組織風土にしろ、
新しい取り組みをするときには、仕組みをつくるところから入ります。
私は営業のコンサルタントとして、
目標達成する組織に変革するため企業の現場に入ります。
「予材管理」という弊社のマネジメント手法をお伝えしますが、
最初から仕組みをいれようとしてもうまくいかないことは分かっています。
法律のような強制力のあるものの裏付けがない限り、
「働き方を変える」「組織風土を変える」といった取り組みは、
簡単には進まないのです。
なぜ、うまくいかないのでしょうか。
それは、どんなにいい「仕組み」をつくっても、
運用できる組織になっていなければ機能しないからです。
例えば以下のような組織は、仕組みが運用できていません。
■決めたことを最後まで実行しないことが多い
■トップや経営層の方針が社員に正しく認知、理解されていない
■新しい制度や仕組みがうまく運用されず別の手法を導入する、
といったことを繰り返している
私たちは、組織のこのような状態を「土台が崩れている」と言っています。
「上手くいかないのは、決めた取り組みがうちの会社にはあっていないから」
と思いがちですが、それは違います。
やり切る習慣ができておらず、
正しくルールが守られていない組織だからです。
なにかを始める前から
「どうせ●●だから」「やっても意味がない」「でも」「だって」
と言い訳ばかりで、最初から行動をしない組織になっている可能性があります。
私は、これを「思考の土台が崩れている」、「土台がない」と言っています。
組織とは個人の集合体です。
一人一人の思考の土台の崩れが、組織全体の土台の崩れに
つながっている可能性があります。
ですので、最新のITツールを導入しても、
画期的な仕組みをいれても相変わらず組織は動かず、
いつまでも時間やお金を投資することになるのです。
では、「仕組み」を運用できる組織にするには、どうすればいいのでしょうか。
それには、個人の思考の土台を鍛えるところから始める必要があります。
個人個人が、一つ一つ、決めたことを実行する習慣をもつことです。
目的、目標から逆算し、考えて行動すること。
日々の小さな仕事、約束も同じです。
仕事の専門的スキルの前に、基礎となる土台を形成することが大切です。
個人に決めたことを実行する習慣ができて初めて、
仕組みや手法が成り立ちます。
コンサルタントとして、もちろん制度や仕組みをいれることは推奨します。
しかし、その前に思考の土台をきたえ、
市場の変化や新しい取り組みに柔軟に動く組織作りを
考えてみてはいかがでしょうか。
土台を鍛えるのにおすすめのセミナーはこちらです。
「シャイニングマンデー」という制度がなくても、
社員一人一人が自分の役割を理解し、目標から逆算した動きができるようになれば、
休みが自由にとれたり、テレワークなどの自由な働き方ができたりするようになるでしょう。
そうしたことが実現すれば、働き方改革は成功した、と言えそうです。
筆者紹介
- 株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 山本なつみ
- 東証一部人材派遣会社入社1年目で西日本営業成績1位を獲得。新人ながら新規拠点立ち上げの責任者として1年で黒字化を達成する。
その経験を活かし、営業代行会社の立ち上げに参画し、自らトップセールスとして10,000社以上の販路を開拓しつつ、部長職として20名の部下を統括した。
営業代行支援業務では、電話営業、飛込み訪問、販促ツールの開発など包括的な販路開拓指導が支持され700社の販路開拓に成功。
販路開拓のみならず、食品メーカー新製品プロモーション、大学・官公庁の販促物作成などセールスプロモーションにおいても数多くの実績を残した。
アタックスに入社後は新規販路開拓で培った交渉力や開発力を武器に、中堅中小企業の現場指導に従事。並行して年間100回以上のセミナーを開催し、提案力、コミュニケーションスキルアップでは受講者の圧倒的な変化が支持される。営業のみならず、幅広いビジネスパーソンからの申込が後を絶たない。