限られた「いい人財」をつかまえる!~中小企業の採用戦略でアピールすべきポイント

人材育成

数字で見る最新の採用情報

8.62倍

突然ですが、これは何の数値かお分かりになりますか?
新卒採用に関係する数字です。

この数字は、中小企業(従業員規模300人未満企業)の「2020年3月卒業予定の大卒求人倍率」です。

※株式会社リクルート第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)

8.62倍ということは、1人の学生に対して、約9社の企業がオファーを出しているということです。

ちなみに、大企業を含む、全体の求人倍率は「1.83倍」ですから、いかに中小企業が採用に苦戦しているかが分かります。

採用は勝ち負けです。
1人の求職者が最終的に選ぶ会社は1社のみ。

つまり、中小企業でいえば、9社のうち1社しか勝者はいないということです。
「なかなかいい人が採れない」ということは、負けている、負け続けているということです。

中途採用にも同じことが言えます。

「なかなかいい人が採れない」と思われているなら、この事実とまっすぐに向き合うことから始めなければなりません。

中小企業の採用戦略とは

ここで、重要なことをお伝えします。

それは、「8.62倍」という数字を見て、「うちは中小企業だから採用できない」とは思わないでいただきたい、ということです。

私は、企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタントです。

現在は、組織の目標達成に向けた営業コンサルティングに従事する傍ら、前職を含めこれまでに1,000社以上の採用コンサルティングに従事してきました。

例えば、これまで新卒採用をやったことのない企業で、1年目から6名の採用を成功させました。

また、中途採用でいい人が採れないという企業では、求人広告の出し方、人材紹介会社の活用方法をアドバイスすることで、翌月にさっそく採用できました。

このように、数え切れないほどの成功事例を持っています。

そんな私だからこそ言えるのは、採用がうまくいっていない会社というのは、「採用活動を一所懸命やっていない」ということです。

「そんなことはない、ちゃんとやっているよ!」
と思われるかもしれません。

しかし、採用がうまくいっていない会社は、採用がうまくいっている会社があたりまえに知っていることを、ご存知ないということがよくあります。

たとえば、
「今の大学生が就職先企業をどんな基準で決めているか?」
というのはご存知ですか?

ビジネスにおいては、相手を知らなければ、いかなる戦いにも勝つことはできません。

このことは、採用活動においても同じことです。

求職者が会社をどんな基準で選んでいるのか、その傾向はどうなのか、こういったことを知らなければ、正しい採用活動はできません。

就職情報大手のディスコが大変興味深い調査結果※を発表しています。

就職先企業を選ぶ際に重視するポイントが、「就職活動を始める前の1月」と「実際に企業選択をするタイミング」では、大きく異なっているのです。

まず、就職活動を始める前の1月で、企業選びに重視していたポイントは、次のようになっています。

1位「将来性がある」(47.4%)
2位「給与・待遇が良い」(44.2%)
3位「福利厚生が充実している」(31.5%)

さらに4位は「休日・休暇が多い」(27.7%)など、労働条件重視の傾向が目立ちます。

この結果だけを見ると、中小企業は大手企業に敵わない、だから「中小企業だから採用できない」というロジックが成り立ちそうです。

では、実際に企業選択をするタイミングではどうだったのか?

1位は「社会貢献度が高い」
初期に比べ10ポイント以上増加(21.4%→32.1%)

2位は「将来性がある」
初期と比べポイントは大きく減らしたものの、決定時にも多くの学生が重視。

3位は「仕事内容が魅力的」
大きくポイントが増加(19.3%→27.5%)。

このことから分かるのは、
就職活動を始める前は、企業の「外見」だけを見ていた学生が、
就職活動を進めるにつれて、企業の「内面」を重視するようになっている

ということです。

※2019年卒採用マーケットの分析―就職・採用戦線総括―

こういった情報は、採用コンサルタントをしている私だから得られる情報ではありません。情報機関各社が定期的に発信している情報です。

「採用活動を一所懸命にやっていない」と私が言うのはこういった情報を得ずに採用活動をしている会社のことを指しています。

しっかりと情報をつかまえて、戦略に反映させれば、採用は必ずうまくいきます。

金融・経済、産業構造、働き方、AI・・・、世の中は凄まじい勢いで変化しています。

“人財採用”もそのひとつです。

人が“働く場所”に求めることも時代とともに変化しています。

自社が求める人財が、どんな働き方を望んでいるのか、そのことを知らない限り、適切な採用活動はできません。今回のコラムでは、そのヒントをご紹介させていただきました。

拙著『いい人財が集まる会社の採用の思考法』では、このほかにもさまざまな最新情報をご紹介しながら、採用に勝つための戦略を公開しています。
ぜひお手にとっていただければと思います。

安定的な人財採用を実現し、今よりさらに強い組織を作りたい。そうお考えの企業様を、私は全力でご支援したいと考えています。
お気軽にご相談ください
 

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 酒井 利昌
学習塾業界、人材サービス業界を経て、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツへ入社。前職の人材サービス業界では、人材派遣、新卒採用を通じた、大学生と企業とのマッチング支援に従事。9年間で1,000社の採用支援、学生3,000人の就業支援に携わる。
現職では、年間150日以上の研修、セミナー、コンサルティング支援に従事。
予材管理のコンサルティングは、カーディーラー、住宅設備メーカー、建設・設備工事業、工作機械商社、食品包装専門商社など多岐に渡る。マネジメントの初期設計から成果を導き出すための再設計まで、組織の現状を正しく捉え、指導することに定評がある。
また、新入社員や若手社員向けの研修も実績多数。インパクトのある激しい研修指導により、目標を絶対達成させるマインドをゼロから鍛え上げており、企業からのリピートオーダーが絶えない。営業コンサルティングに加え、採用コンサルティングにも従事。超売り手市場のなか、培ってきた営業・マーケティングノウハウを採用活動に転用することで、携わった企業すべてを短期間で採用目標達成に導いている。

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