人前であがらずに話す3つのポイント
先日、50人ほどの人前でスピーチをする機会がありました。
話す内容は事前に準備しましたが、それでも話す前は緊張し、そわそわして落ち着きませんでした。
私は仕事柄、人前で話すことには慣れていますが、それでももともと緊張するタイプなので、今でも話す前は緊張してしまいます。
しかし、話を始めると落ち着いて話すことができましたし、自分が言いたいことは伝えることができました。
今回は、このスピーチ経験をもとに、人前であがらずに話すポイントをお話します。
話す内容に自信を持つ
人前であがらずに話すポイントの1つ目は、話す内容に自信を持つことです。
今回、話すネタは幾つか浮かんだのですが、どれも今一つしっくりこないものでした。
他にないかな、と探している中で最後に浮かんできた話に、これだ!という感覚を得ることができました。
同じ職場で働く障がい者のCさんから様々な気付きを得た、という話です。
自分が今一つ納得できない話は、自信が持てず、話しているうちに気持ちが後ろ向きになります。
その結果、話している最中に「つまらない話だなぁ、と思われてるかなぁ」と不安になり、あがってしまいます。
「ぜひ聞いて欲しい!」と思える話題なら、積極的に自信を持って話すことができます。
皆さんも、話す前には話のネタを十分に吟味してください。
大きな声で話す
ポイントの2つ目は、大きな声で話すことです。
話し手は聞き手に見られている、ということを意識します。
この見られているという意識が聞き手の発する無言の圧力のように感じられ、圧倒されてしまいます。
その結果、気持ちが押されてしまい、あがってしまうのです。
話し手が、この聞き手が発する無言の圧力をはね返すには、大きな声で話すのが効果的です。
私も先日のスピーチでは、出だしから大きな声で話しました。
そのおかげで、急速に落ち着くことができたと思っています。
要点列挙のあらすじを作る
そして3つ目は要点列挙のあらすじを作ることです。
私はスピーチの準備をする際、話すことを一字一句書いた原稿は作りませんし、丸覚えもしません。
丸覚えをすると、次の言葉が出てこないと詰まってしまい、話が続けにくくなります。
その代わりに、話す内容を考えて、その要点を個条書きにします。
そして、その個条書きをもとに何度も声に出して口に覚えさせてしまいます。
先日の、同じ職場で働く障がい者Cさんから気付きを得た、というスピーチでは次のような要点のみの原稿を作りました。
- Cさんが職場になじんできた
- ウサギとカメ(Cさんは自分の目的だけに焦点を当てて着実に進んだカメのような人。他の人と自分を比べない)
- 常にチャレンジ精神を持つ(Cさんから得た気付き1)
- 気持ちや考えを言葉にする(Cさんから得た気付き2)
- Cさんにはこれからも着実に成長して欲しい
そして、それぞれの項目で、何を話すかをまとめて口慣れるまで練習しました。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーではスピーチ練習を30回以上するようにお願いしています。
しかし、スピーチに慣れてくると、それほど練習しなくても言いたいことは話せるようになります。
「これが言いたい!」ということをしっかり持っておけば、準備した言葉とは違う言葉を言ってしまっても、あわてずに話を続けることができるのです。
まとめ
いかがでしょうか?
「これを話したい!」と思える話題を見つけて、その話の要点を個条書きにして、話せるようになるまで準備をします。
そして、本番では大きな声で聞き手が発する無言の圧力をはね返しながら話すことができれば、納得のできるスピーチができます。
これらはすべて日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーでお伝えしている内容です。
それ以外にも話し方全般について、受講生お一人おひとりに合ったトレーニングを提供しています。
受講された多くの方がその成果を実感されています。
ぜひ実際の成果を「受講者の声」でお確かめください!
筆者紹介
- 株式会社日本話し方センター代表取締役社長 中小企業診断士 横田 章剛
- 1983年 神戸大学卒。メガバンクで、国内・海外の勘定系システムの開発、ガバナンス業務、銀行決算・銀行税務の取り纏めなどに従事。2007年 アタックスに入社し、グループ全体の経営企画、総務、経理、法務等の間接部門を統括。2016年、日本話し方センターの代表取締役社長に就任。研修等で話し方の指導に従事。
- 横田章剛の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。