少々刺激的なタイトルですが、これは民間調査機関が調査した、中小企業金融円滑化法に基づき金融機関から借入金返済の猶予や減額をうけた企業の経営改善計画の進捗状況の結果だそうです。
計画未達成の企業の割合が3分の1という水準が多いか少ないかは色々と意見があるところだと思いますが、事業計画は策定するよりも、実行することの方がはるかに難しいということは周知の事実だと思います。
また、事業計画の実行段階では業績目標を達成したかどうかも重要ですが、業績結果から何が達成でき、なぜ達成できなかったのかを分析(What-Why)し、課題解決に向けたアクションに結びつけることのほうが重要です。
イメージしかし、事業計画の実行段階において、この業績結果を分析できないケースが見受けられます。また、そういった場合に限って、業績目標が達成できていないことが多いようです。
この業績結果を分析できない理由の一つに、事業計画自体の根拠があいまいなことがあげられます。例えば、売上は全体的に5%アップ、利益率も2%アップ等のおおまかな根拠で事業計画が策定されていると、業績結果の分析は達成できかたどうかの分析(Yes-No)にとどまってしまいます。
事業計画を課題解決に向けたアクションに結びつけるためには、事業計画の根拠を明確にする必要があり、そのためには自社のビジネスモデルに基づき、事業や商品、販売先の切り口でセグメンテーション化することが有効です。
セグメンテーション化のやり方としては、例えば、売上計画ですと
縦軸に外部環境による増減(成長性)、
横軸に自社努力による増減(収益性)
という切り口でマトリックスを設定し、商品や販売先をマトリックスに分類し、それぞれに売上目標を設定する等です。
このようにセグメンテーション化すると、事業計画の策定段階でマトリックス毎にとる戦術を深く検討できますし、実行段階においても自社の実力で業績目標が達成できたのか、また事業計画の策定段階で設定した戦術が有効であったのかの検証もできることになります。
セグメンテーションの切り口は、企業毎に千差万別ですが、この縦軸や横軸等の切り口に何を設定するのかで、その企業の戦略やビジネスモデルが明確になります。事業計画を策定する際には、是非、このセグメンテーション化を検討してみてください。
筆者紹介
- 株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役社長
中小企業診断士 池ヶ谷 穣次 - 1993年 静岡県立大学卒。MBA。中堅中小企業の経営管理制度・管理会計制度構築サポート、事業再生サポート、財務・事業デューデリジェンス業務、M&Aサポート、株式公開支援、月次決算支援業務等に従事。システムエンジニア時代に得たシステム思考を応用し、経営者・経理責任者の参謀役として活躍中。
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