その指示では部下は動かない!~機能不全組織の問題解決法

営業

先日あるマーケティング施策が大成功しました。

当社アタックス・セールス・アソシエイツ代表の横山信弘が配信したメルマガに大きな反響があり、1000件を超える資料ダウンロードにつながったのです。
一通のメールでここまでの反響があることは、そうそう無いことです。

そのような結果が出たのは、メール本文に書かれた、
「どうしようもない受講者がいる場合に使うエクセルシート」
というキーワードがメルマガの読者の心に響いたからだと思っています。

このエクセルシートは、当社のサービスである、部下に行動をやり切らせる手法「壁マネジメント」で使用するシートです。

さて、今回の大量ダウンロードの反響からお伝えしたいのは、
部下に行動を指示し、やり切らせることを望みながら、うまく組織をコントロールできていないマネジャーが相当数いるということです。

私は、機能しない組織を改善できないマネジャーの問題のおおよそのパターンを導き出しています。

その中から5つの代表的なマネジメントの問題と解決方法を記載します。
是非ご自身の組織マネジメントと照らし合わせて確認してみてください。

うまく組織をコントロールできていないマネジャーの特徴

【1】指示が具体的でない

コストを削減してください、という指示を出しても、多くの部下は何から手をつければ良いか判断できません。
マネジャーは、目的と指示の4W2Hを明確にして部下に指示する必要があります。

(目的) 
半年間で、1000万のコストを削減します。

(誰に何をどの位の量)
主要仕入れ先5社の営業担当に、
現在仕入れている原材料上位10品目について
2%の値下げを交渉してください。

(どのように)
向こう半年間の購入量をあらかじめ担保することを条件に
交渉してください。

(いつまでに)
2週間後の今月末までに必ず一度交渉してください。

以上のように具体的に指示を出すことで、部下の行動改善につながります。

【2】部下が指示を実行しなくても放置している

「今月末までに新規リスト掲載の会社に、一人30件電話してください」という指示を出したが、いつまでたっても電話する気配すらない。

「なんでやらないの?」と聞くと、「忙しいから」と言われて、マネジャーがそのままにしている、というようなケースです。

指摘されても言い訳すればやらなくても大丈夫、ということが過去にあり、それが習慣化している可能性があります。

上司の指示なんてやらなくても大丈夫、という認識が定着してしまっているのです。

こうした場合、例えば、
「今日の午前中時間とって目の前で電話してください」
と指示します。

行動しなければ終わらない、済まないという体験を重ねることで、指示に対して確実に行動する習慣ができてきます。

【3】部下に対する指示の合意をとっていない

人を介して実行指示をしたり、メールの一斉配信で指示をした結果、部下が行動するという合意をとっていないケースがあります。

人を介して指示をすると「そんなこと言われても今月は難しい」と、部下が自分の都合で勝手に判断してしまいます。

また、一斉メールを出しただけでは、指示内容を部下が正しく把握せず、後で「内容を正しく理解していなかったです」と言い訳をされてしまうこともあります。

このようなケースを改善するためには、必ず指示した内容に対して直接「わかりました。やります」という合意をとることが必要です。

【4】部下が指示通りに行動しているか管理していない

指示したあと、期限まで(もしくは期限を超えても)部下の実行状況をまったく確認していないケースです。

指示事項が確実に行われる組織でなければ、性善説は通用しません。

この場合は、逐次実行結果をデータ化し、できていなければ改善指示を行うことを仕組み化しなければなりません。

【5】部下が行動した結果を評価していない

新しい活動を指示したが部下の行動が続かないという場合、これが原因になっていることがあります。

新しい活動は、習慣化していません。

習慣になっていない行動は少々無理して実行している状態なので、できれば避けたいという思いが無意識に発生します。

その状態で実行したことへの評価が無ければ、やってもやらなくても何も変わらない、だったらやらなくても良い、と認識してしまうのが人間の心理です。

習慣化するまでは、行動していることに対して、「指示通り実行してくれていますね。ありがとう!」という評価を、また行動していなければ「できていないのは問題です」という評価をします。

こうすることで、部下は、上司が指示した行動を取ることを認めてくれている、という認識を持つことができます。

まとめ

以上5つのケースは、支援先の現場で放置されていることが散見されるものばかりです。

上で述べた改善策をマネジャーの「当たり前」の行動とすることで奥の手を使うことなく部下の行動は改善されます。

現状のマネジメントを変えない限り、上司の指示事項を部下が実行しないという機能不全は改善されません。

もし、ご自身の営業組織が何らかの機能不全を抱えているのなら、上記の項目をチェックして、マネジメントの在り方を見直してみてはいかがでしょうか。

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 山北 陽平
富士通グループ主力販売会社を経て、株式会社アタックスへ入社。前職では企業向けのモバイルソリューション販売に従事。 【エリア別法人営業 :250人中/1位の販売実績】企業間アライアンス構築、新規ビジネス推進プロジェクトを数多く経験し、新規顧客開拓、販売チャネル開拓を得意としている。アタックス・セールス・アソシエイツ入社後は、前職での営業経験を生かし、『正しい手順に基づいた組織営業』を定着させること、『正しい販路開拓をコーディネート』することをテーマに現在クライアント営業組織の目標予算達成に必要な、行動改革から戦略構築支援を展開している。また、研修講師として、独自開催している若手営業パーソン向けセミナー【絶対達成スピード講座】は営業パーソンの意識と行動スピードを短時間で改善させる体験型セミナーとして、多くの経営者、営業マネジャーから「なかなか変わらない部下に是非受けさせたいインパクトの強いセミナー」と大変高い評価を受けており、常に集客前直後には満員御礼になってしまう人気セミナーの講師としても活躍している。

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