結果が出せない人を劇的に変える方法~「壁マネジメント」メソッド

営業

私は、企業の現場に入って目標を絶対達成させる指導をおこなうコンサルタントです。

これまで膨大な数の組織や人を見てきましたので、私含め、アタックス・セールス・アソシエイツのコンサルタントは、結果を出す人、出せない人を容易に見分けることができるようになっています。

それは、私たちが結果を出すための「あたりまえの基準」という“ものさし”を持っているからです。

・相手と話をするときにメモをとることができているか
・決められた期限を守ることができているか
・決められた期限を割り込む場合、上長に報連相することができているか
・自分が求められている成果を1秒で言うことができるか
・決められた行動をやり切ることができているか

このような「あたりまえの基準」を測る“ものさし”が上記以外にも100項目ほどあります。

これらを活用して、コンサルティング先の社員の皆さんが、結果を出すのに足る状態になっているかどうかをさまざまな角度からチェックし、フィードバックをしています。

「あたりまえの基準」とは、「やるのがあたりまえのこと」。誰かから言われてはじめてやることではありませんし、意識しないとできないことでもありません。また、自分のメリットを考えてからやるものでもありません。

「やるのがあたりまえだからやる」つまり、「あたりまえの基準」とは、それを行うことが習慣レベルになっていることを指します。

結果を出す人は、結果を出すためのあたりまえの習慣があるのです。

従って、結果を出したい人は、そのための正しい習慣を身に着ければいいだけです。

しかしながら、人の習慣を変えるのはそう簡単なことではありません。なぜなら、人の習慣は、過去の体験の「インパクト×回数」によってできあがっているからです。

自分とまったく同じ人がいないように、自分とまったく同じ体験を同じだけしたことがある人はこの世の中には存在しません。だから、人により「あたりまえの基準」が異なるのは当然なのです。

「そんなこと、やるのがあたりまえだろ!」(上司)
「そういうものなのですか、知りませんでした」(部下)
このような問答が発生するのは、上司と部下との間で、過去の体験の「インパクト×回数」が違うからです。

だからこそ、部下指導をする際には、【手順】が必要です。 以下は、「あたりまえの基準」を上げるために、私たちコンサルタントが現場で実際におこなっている手順です。

【1】やろうと思えばできることを「行動ルール」として設定する

まずやるべきことは、「あたりまえの基準」とはどのレベルのものなのかを示すことです。そのため、「できない理由のないこと。やろうと思えば誰もができること」を「行動ルール」として設定し、やり切ることからスタートします。
「ルール」ですから、やるのは絶対です。毎朝就業開始時刻に間に合うように出勤することと同じレベルです。もしできないとしたら、ただそれは習慣になっていないだけ。「あたりまえの基準」が低いだけなのです。

【2】定めた行動ルールの進捗状況を朝夕など「決まったタイミングでチェックする」

次にやることは、適切なタイミングでチェックすることです。「あたりまえの基準」として定めた「行動ルール」をやり切っているかどうかをチェックします。
朝、行動する計画になっているかをチェックしたり、夕方、計画どおりやったかチェックしたり。適切なタイミングは、習慣化レベルによって異なりますが、重要なことは、抜け漏れなくやることです。

【3】行動ルールができている場合とできていない場合とで異なった「フィードバックをする」

その次にやることは、フィードバックすること。行動ルールがやり切れている場合は、「いいね!」とフィードバックし、やり切れていない場合は、「ダメです。やってください!」とフィードバックします。

以上【1】【2】【3】を繰り返すことで、人の行動習慣は次第に変わっていきます。 「あたりまえの基準」が変化したことで、最近起こった事例をご紹介します。

A社:新規顧客に対して、一人月間1,2件しか訪問していなかった組織が、月間40件訪問するようなった(営業組織)

B社:見積作成時間を一人月間5時間程度しか確保できていなかった組織が、月間15時間確保できるようになった(不動産管理会社)

C社:残業時間が一人月間100時間発生していたチームが、業務分担ルールを明確化したことにより、全員残業が0になった(総務部)

D社:職人ごとに作業のやり方を任せていた製品加工会社が、短縮できる業務を洗い出し、統一した改善ルールを実行して、40品目の加工時間10%削減に成功した(部品加工会社)

以上のような「あたりまえの基準」の変化は、私たちコンサルタントだから及ぼせるものでありません。
実は、再現性をもって誰もが実施できるように体系化したメソッドとして公開しています。それが、やり切る組織をつくるマネジメント手法“壁マネジメント”です。

採用環境が厳しさを増すなか、期待通りの「あたりまえの基準」を備え持った新入社員を採用することは難しい現実があります。 また、働き方改革が声高に叫ばれる今、限られた時間内に最大の成果を出す仕組みを構築するのは急務です。

決めたことはやり切る。それが「あたりまえの基準」となっていない組織は、今後厳しい環境下において勝ち続けることは難しいでしょう。

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 酒井 利昌
年間で、全国50社、100名以上のマネジャーに対して、壁マネジメントを指導。(単発の講演は除く) 研修だけでなく、電話やメールを通じて、常時毎週30名超のマネジャーに対して、実践状況と組織の変化に応じたPDCA指導をし続けている。 壁マネジメントの初期設計から中間成果を得るための再設計まで、組織の現状を正しく捉え、指導することに定評がある。 また、新入社員や若手社員向けの土台マインド研修も実績多数。 インパクトのある激しい研修指導により、目標を絶対達成するマインドをゼロから鍛え上げており、企業からのリピートオーダーが絶えない。
酒井利昌の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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