顧客の変化を見逃すな!営業感度を左右するライン(配線)の把握とは?

営業

近年、営業現場である変化が!

トヨタ自動車が、2030年までに電動車の車載電池開発に対し、1兆5000億円を投資することを明らかにしました。

脱炭素社会の実現に向けて、世界各国が取り組みを強化する中、自動車業界は“燃費規制”と“販売規制”、双方の対応を迫られています。

私は多くの企業で、最低でも目標を達成させるための営業教育、現場指導を行っています。

そこで近年、特に数か月前から顕著になってきた営業現場でのある変化に注目しています。

それは「謎の新部署にエース級の人材」が集められている、という現象です。

「謎の新部署」とは、冒頭にある通り、自動車業界に関わらず各企業が環境対策に本腰を入れざるを得ない状況になり、対応するために作られた新部署です。

ここで重要なポイントは、この新部署が設置された企業をお客様とする営業組織が、どのタイミングでその情報をつかみ、どのように関わることが出来たか、ということです。

とある素材系企業をお客様とする企業では、営業担当者から経営陣に至るまで組織で定期的な接触を心がけており、環境対応部署の設置検討の段階から情報をキャッチし、自社で提供できるサービスから情報まで、かなり早い段階から検討して手を打ち、信頼関係をより深める結果となっています。

反面、とある企業の営業パーソンは、配置換えで自身の担当部署から外れるからとケアせず、後からニュースリリース見てびっくり。これでは、新たなビジネスチャンスどころか、放っておかれたお客様が、その企業に相談することは考えにくいです。

営業が競合に勝つ手法とは

このように営業が、競合よりもより早く、適切なタイミングで情報をつかみ、新たなビジネスチャンスを具体化させるために、予材管理(※)では「ライン(配線)コントロール」を重視します。

※予材管理の詳細は、こちらをご覧ください。

「ライン(配線)コントロール」とは、相手企業の意思疎通や意思決定のライン(配線)を把握し、能動的に働きかけるコミュニケーション手法です。

ラインコントロールで重要なのは、相手に依存しないで、こちらが主導権を握ることです。

多くの大企業は縦割りの組織になっていることが多く、それぞれ部署が異なると相互に連携することが難しく対応が点になりがちです。

営業においてもポイント(点)でしか接点を持たず、組織ぐるみで関係を構築しづらい傾向にあります。

一方、中小企業の営業は、お客様に対する社外のラインはもちろん、営業活動のみならず、生産・調達の調整など社内のラインまでコントロールしなければならないことが多いでしょう。

そのため、普段からラインを意識している中小企業のほうが、相互のラインを意識した営業活動を取り込みやすいようです。

組織としてラインコントロールを意識した活動を行う場合は、上記の通り、相手企業の意思疎通や意思決定のライン(配線)を事前に把握しておく必要があります。

意思疎通や意思決定のライン把握に必要な「予材配線図」

相手企業の意思疎通や意思決定のライン(配線)を事前に把握しておくのに必要なもの、
それが「予材配線図」です。

予材配線図とは、3C(自社:Company/販売チャネル:Channel/顧客:Customer)ごとに登場人物を表現し、「どの人物と、どの人物が、どのようなプロセスにおいてつながっているのか」などを図表にして表現したもので、まさに上記のラインを視覚的に見える化したものです。

予材配線図が営業全員の頭の中に入っていると、「どのタイミングで誰と協力して、どういう行動をすれば良いか」を組織で意識できるようになります。

カーボンニュートラルという世界規模の変化により、商品・サービスの観点から新たなビジネスの可能性(当社ではこれを「予材ポテンシャル」といいます)が拡がることは間違いありません。

しかし、新たなチャンスというのは降って来るのを待っていたら、その時にはビジネスとしての魅力はほとんどない、価格のたたき合いを行うだけの出涸らしのようなものに変わります。

組織にとって営業とは、当社の価値を伝える口、ご要望を捌く手である以前に、新たなチャンスを見つける目であり、潜在ニーズを聞き分ける耳でもあります。

世界が変わろうとしている今、営業現場のわずかな変化も見逃さず、聞き漏らさず行動するための準備が出来ているか、今一度確認したいものです。

※ラインコントロール、予材配線図については弊社代表横山信弘の著書「予材管理のすべて」に詳しく解説されていますので、ぜひご参考ください。

アタックスグループは、目標を絶対達成する組織をつくります。アタックスの営業力アップ・目標達成支援に関するお問い合わせはこちらから。

 

営業力・目標達成

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 取締役副社長 桑原 賢一
1999年 同志社大学卒。大手化粧品メーカーにて、経営指導から現場販売員の指導育成に携わり、延べ100名以上のトップセールスの育成実績をもつ。アタックス参画後は、上場企業の営業戦略構築、小規模企業の営業組織に対しての直接指導、営業職の個別指導等にあたっている。コンサルティング支援における行動変革率は100%を誇る。
桑原賢一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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