大転換期の中国経済!~実態から見えてくるビジネスチャンスとは!

税務

米中貿易問題の影響などで景気先行きが懸念される中国経済。先日発表された2018年GDP成長率は6.6%でした。第四四半期に限れば6.4%の低水準となりました。

また、良くも悪くも景気を牽引してきた不動産が低迷しており、住宅価格が前年割れする都市も出てきています。

過去に価格が急上昇した北京、上海、広州、深センの四大都市ではその傾向が顕著ですが、加えて、各省の省都レベル(日本の県庁所在地に相当する都市)でもすでに価格が頭打ちとなってきています。

本メルマガの読者の中で中国に子会社を設立されておられる方がいらっしゃれば、先行きを心配されておられるのでは、と推察します。

このような状況下、中国政府は景気下支えのために様々な政策を打っています。

例えば、税金分野では以下のような政策が出されています。内容を簡単にご紹介します。

(1) 個人所得税の減税(日本の所得税に相当)
・月最低課税所得をこれまでの3,800元から5,000元に引き上げ
・さらに、子女教育支出控除など6つの控除項目を導入し、課税対象所得を引き下げ
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(2) 小規模企業向けに企業所得税の大幅減税(日本の法人税に相当)
・年間課税所得100万元までは実質5%の税負担(現状20%)
・年間課税所得100万元超え300万元までは実質10%の税負担(現状20%)
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個人の可処分所得や企業のキャッシュを増加させ消費を刺激しようというものですね。

マクロ的にはネガティブな話題ばかりですが、一方で、市場を分析して商機を捉え伸びている日本の企業もあります。

例えば、上海市にある日系の高級海鮮料理店。超高級といっていい価格帯で運営されており、我々のような一般の日本人は入店できないレベルですが、連日、リッチな中国人で大盛況。ここには景気の先行きへの不安感は全くありません。

製造業では、中国企業家の工場見学を積極的に受け入れることで、中国への輸出を増やしている日本企業があります。

この企業は中国に子会社はなく、中国企業から注文があれば、日本で製造して輸出するという対応をしてきましたが、縁あって、中国企業家団体の視察を受け入れるようになりました。視察会に参加していた中国人企業家が製品に興味を持ち、中国工場で使用する設備として注文があったそうです。

中国企業は、生産性向上や差別化を課題にしていますので、高性能の設備は彼らの課題解決に必要なものとなっています。

中国経済は大転換期にあります。大市場ではありますが、これまでのような高成長は見込めなくなりました。

一方で、やり方次第では結果を出せる市場でもあります。これまで以上に中国の情報を正確に掴み、中国市場へのアプローチに活かしていけば、ビジネスチャンスはいくらでもある。筆者はそう考えています。

弊社では、中国経済や中国税務を解説するサービスを提供しています。
本サービスを活用し、激動する中国経済にしっかりと対応していただければと思います。

筆者紹介

株式会社アタックス
 海外サポート室 室長 諸戸 和晃
大手住宅会社勤務を経てアタックス入社。株式公開、企業再生、M&A支援等のコンサルティング業務に従事。2011年より2年間北京赴任。赴任中は北京中央財経大学への留学、中国系会計事務所「中税咨询集团」(北京)で業務。帰国後、海外サポート室の室長として、中堅中小企業の海外進出に関する支援業務に注力している。
諸戸和晃の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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