トップダウン一辺倒の時代は終わった!ミドルアップダウン型経営のススメ

経営

ミドルアップダウン型経営の重要性とは

組織の経営スタイルには様々な分類の仕方がありますが、1つの切り口として
「トップダウン型」
「ボトムアップ型」
「ミドルアップダウン型」
の3類型があります。

この中で、近年は以下のような経営環境を背景に、経営者とミドル(中堅社員、幹部)で組織を支えるミドルアップダウン型の経営スタイルの重要性が増しています。

・少子高齢化の進展により「嫌なら辞めろ」といった
 経営スタイルでは人材の確保が難しい
・働き方改革やブラック企業名公表などの規制強化により
 「出来るまでやれ」は通用しない
・グローバル競争の激化、IT革新などにより
 「現状維持」では時代に取り残される

ミドルアップダウン経営とは、経営者と一般社員の中間に位置するミドルが主体的に動きます。 彼らは、第一線で働く現場社員の声を吸い上げて経営に提言したり、経営者が発信しているメッセージをわかりやすく一般社員に伝えたりする役割を担います。

新たな価値の創造と事業の発展を目指す経営スタイルであり、変化が激しく、迅速な意思決定が求められる環境下で経営成果を上げるために有効な体制とされています。

一方で、ミドル層の重要性は認識しているものの、ミドル層の主体性を引き出し、意識や行動を変えていくのが難しいという声をよく耳にします。

では、ミドルアップダウン経営に変革していくためのポイントはどこにあるのでしょうか?

ミドルアップダウン型経営の4つのポイント

変革の成否は、企業の経営理念や経営ビジョンにもとづいて、ミドルの役割や責任を「仕組み化」していくことにかかっています。

具体的には以下の4つのカギを有機的に結合していくことが必要です。

(1) 経営目標

経営理念や経営ビジョンを実現するための業績目標のことを指します。まずは会社の理念や使命を実現するために目指すゴールを明確にし、焦点を合わせることが重要です。

(2) 役割

経営目標達成のための各組織に対する期待や責任を指します。経営目標のレベルでは、現場の社員一人ひとりの業務との距離感があるため、経営目標の実現に直結した役割を組織単位で設定します。ミドルや社員一人ひとりが実際の実務でどのような期待や責任に応えればいいかをブレイクダウンして示すことが必要です。

(3) 成果(KPI)

経営目標に基づく役割を十分に果たしたのか、不十分だったのかを測る指標のことを指します。役割は定性的な側面が強いため、役割達成を測る指標を明確にし、焦点を合わせることで、PDCAで言うC(チェック)が明確になり、結果的にA(アクション)のレベルが向上します。

(4) 行動

成果として設定した指標を達成するために取るべき行動を指します。成果目標達成に向けた行動計画を策定し、やりきらせるために、経営者はミドルに、ミドルは部下への介入を行っていきます。タイムリーにこのPDCAを回すことによって、成果に繋がる行動とは何かを、効率よく、効果的に見つけ出せるようになっていきます。

まとめ

この4つのカギを結合させるためには、「業績管理制度」と「人事制度」の2つのハード面(制度・システム)の整備が必要です。業績管理制度は経営者(全社)~ミドル(組織)、人事制度はミドル(組織)~担当者、のレベルで4つのカギの有機的結合を助けてくれます。

まずは「業績管理制度」と「人事制度」といったハードの構築を行い、その中で、制度設計のプロセスや制度の運用を通じて、ソフト面(価値観、社風、人材、能力)の組織変革を進めていくことが有効なアプローチなのです。

アタックスグループでは、次世代経営幹部の育成、PDCAを確実に回せる組織への変革を目指す経営者の皆様のご相談を承っております。お気軽にこちらからご連絡ください。

筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 執行役員
中小企業診断士 平井 啓介
業務系システムを扱う大手システムベンダーを経てアタックス入社。 システムエンジニア時代は、会計システムを中心に、中堅中小企業~上場企業まで業種を問わず、約60社の業務改革を支援。システム企画~導入・運用支援まで、プロジェクトマネジメントのみならず、現場の実態を理解したうえでのサポートを得意とする。アタックス参画後は、システムエンジニア時代に得たITスキル、ロジカルシンキングスキルを応用し、業績管理制度構築サポート、業務プロセス改革サポート(BPR)、事業再生サポートに従事。経営者、管理部門責任者の相談相手に注力している。
平井啓介の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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