今年の2月、日本を含む12ヶ国によってTPP(Trans-Pacific Partnership、環太平洋地域による経済連携協定)が調印されました。
まだ、最終確定しているわけではありませんし、実行されるかどうかも不確定ですが、この調印によって、インバウンド(訪日外国人)を含めた海外取引が、以前に増して日本企業に大きな影響を与える時代になることは確かなようです。
そんな折、2016年中小企業白書に興味深い指標を見つけました。
「第2節 中小企業の海外展開投資の効果と実態」(162ページ)にある輸出、直接投資(生産拠点)、直接投資(販売・サービス拠点)、インバウンド対応による効果を調査した結果です。
これを見てみると、輸出の場合は72.2%の企業が売上拡大を認識しており、直接投資(生産拠点)の場合には50.2%、直接投資(販売・サービス拠点)には56.5%、インバウンド対応の場合には67.6%の企業が、売上拡大を認識しています。
やはり、海外とのつながりを持つことで、企業は何らかの売上拡大が実現できているようです。
さらに、中小企業白書では、輸出実施企業と輸出非実施企業の労働生産性を比較しています。
2001年の労働生産性を100とした場合、2001年から2013年まで継続的に輸出を行ってきた企業の2013年の労働生産性は114.2でした。
一方、同期間継続的に輸出を行ってこなかった企業の労働生産は、105.4。労働生産性の伸び率は、3倍近くも異なっています。
リスクをとって海外進出をしたり、国内で外国人を対象としたビジネスを展開したりする場合には、日本企業や日本人が顧客の場合と比較して、困難に直面する場面が多いと思います。
しかし、その困難を乗り越えていくことで、企業は成長していくことができます。
だからこそ、海外関係の取引に踏み出すことにより、売上の拡大や労働生産性の向上が実現できるのかもしれません。
やはり、勇気をもって一歩を踏みだすことが必要なのではないでしょうか。 政府も中堅中小企業の海外展開を支援するため、様々なサポート体制を準備しています。
例えば、ジェトロと中小機構が連携して行う、海外市場に関する情報提供や実現可能性調査実施等です。 一度、のぞいてみるのもいいかと思います。何らかのヒントが得られるかもしれません。
私どもアタックスグループは、ジェトロのインバウンドアドバイザーとして登録しており、外国企業の国内誘致に税務・労務の観点からサポートさせて頂いております。また、日本企業の海外進出に関しても、海外の提携先と連携しながら、進出計画時から海外進出後まで、様々な局面でサポートできる体制を構築しております。
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