先日、あずさ監査法人のHP上で、「2015年年間IPOレポート(総括)」が公表されました。
詳細は、こちらをご参照ください。
2015年の株式公開案件は、92社。
2011年の36社からは、年々増加しています。
とはいえ、2006年の約190社と比較すれば、約半分です。
経済を活性化させるためにも、もっと多くの株式公開企業が現れてほしいと思っています。
昨年はいつもと少し違うな、と感じる動きは、久しぶりに3つの地方新興市場、名古屋のセントレックス市場、福岡のQボード市場、札幌のアンビシャス市場にそれぞれ1社が公開したことです。
地方再生が叫ばれる昨今、地方マーケットで公開案件が増えていくことは、心強い限りです。
改めて、全国の公開企業について、見てみましょう。
会社規模で言えば、経常利益が1億円未満だった企業は、全新規公開企業の約26%弱。
1億円以上5億円未満が、全体の約50%超を占めています。
すなわち、株式公開を考える企業が目標とする利益水準は、この辺にあるのではないでしょうか?
毎年、私が特に注目することは、マーケットからどの程度の資金を調達できたのかということです。
やはり、株式公開をする以上、一定水準以上の資金をマーケットから調達できなければ意味がありません。
2015年は、92社の内86社が公募を実施しました。
つまり、株式市場から資金を調達した会社が、86社だったということです。
この86社がどれだけの資金を調達できたか、皆さんイメージできますか?
5億円以下の調達だった会社は、全体の50%超です。
10億円までを含めると、全体の70%です。
思ったほど大きな資金は調達できていないのです。
公開をするということは、株主のもとに会社経営を実施していくことになります。
従って、公開をしない場合に比べると、はるかに経営自由度は小さくなります。
ただ、やはり公開する意義もいろいろあります。
・社会的な信用と知名度がアップする
・資金調達の選択肢が広がり、財務体質が強化される
・優秀な人材の確保が容易になる
・株式を高い価格で市場売却できれば、オーナーメリットが享受できる
など。
公開を志向される会社は、これらのメリット等を踏まえて、公開によって何を得たいのかを明確していくことが重要です。
アタックスグループでは、株式公開のための目的確認から公開実行までのプロセスにおいて、経験深いコンサルタントがご相談に応じます。
是非、お気軽にご連絡ください。
【アタックスの株式公開支援サービス】
筆者紹介
- アタックスグループ 代表パートナー 公認会計士・税理士 林 公一
- 1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
- 林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。