経団連が副業・兼業容認を促す方針へ転換 ~今後の働き方に対する影響は?

経営

昨今、働き方改革が叫ばれています。この働き方改革が行きつく先はどこなのだろうと、最近いろいろと考えます。働き方改革を推し進めていくと、やはり在宅勤務の形態がクローズアップされてきます。在宅の形をとることにより、社員を“時間”と“場所”から解放するという発想です。

さらに在宅勤務が進み、時間に余裕が生まれると、仕事も一つの会社だけでなく、複数の会社から受けることが可能になります。社員にとっては、効率的に個人所得を増加させることができます。

株式会社ランサーズが、今年5月に調査した結果によると、副業を行う人の約3割は正規雇用の勤務先がある、とのことです。 その他にも、

・本業に影響がでないことが、副業容認の条件
・副業を行う正社員の50%が従業員50名以下の企業で勤務
・副業を行っている約9割が収入の増加を目的としている

などの結果が得られています。

副業禁止が当たり前と思っていた私にとって、副業を認めている会社が意外に多いことに驚きました。とはいえ上記のように、副業可能な会社は中小企業がメインであり、大企業には関係ない世界、すなわち副業禁止が原則であったはずです。

しかし、12月18日のSankeiBizに「経団連が働き方改革推進の一環として、これまで反対してきた従業員の副業・兼業に関し、容認に向けた検討を各社に促す方針へ転換すること」という記事が掲載されました。大企業も副業禁止規定を外す日がくるかもしれないということです。そうなると、同一労働同一賃金の原則がより重視されるような気がしています。

たとえば、経理業務はパソコンと資料があればどこでも対応できます。メールやネット電話を活用することにより、自宅で作業が可能になります。すると、自宅で作業ができる人がマーケットで手をあげ、仕事を取っていくようになります。結果的に、競争原理が働き、報酬もある一定の金額に収斂することが予想されます。

この動きは、請負という形で仕事をだすことにより、人件費が削減できることで、企業にもメリットがあります。 一方で、在宅勤務の実現には、より高いマネジメント能力が求められます。

副業OKや在宅OKとなると、組織としての一体感はどのように醸成されるのでしょうか? 社員一人一人に会社の一員であるということを識し続けてもらうには、それなりの仕組みと社員との関係構築力が非常に重要になると思います。

アタックスでは、働き方改革のための業務改善や新しい人事制度、人材育成に関するサポートをさせていただいております。ご興味のある企業はぜひご相談ください。

最後になりましたが、今年一年、皆様には本当にお世話になりました。来たる2018年が皆様にとりまして、いい年になりますようアタックス社員一同、心より祈念しております。

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役社長
公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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