新時代の職種「BizDev(ビズデブ)」ってなんだ?~未来を拓く人材要件

経営

「BizDev(ビズデブ)」って何なの?

最近つくづく感じるようになりました。中小企業には「BizDev(ビズデブ)」が必要だ、ということを。
新しい事業開発ができなければ、これから中小企業は生き残っていけないからです。

「BizDev(ビズデブ)」とは「Business Development(ビジネスディベロップメント)」の略。日本語にすると「事業開発」という意味です

今回は、注目されている新しい職種、「BizDev(ビズデブ)」について詳しく解説します。中小企業が事業を開発するうえで、どんな人材が必要なのか。スキルや要件についても紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

「BizDev(ビズデブ)」が求められる2つの理由

昨今、スタートアップや外資系の企業で「BizDev(ビズデブ)」の募集が目についています。

「事業開発」という意味の「BizDev(ビズデブ)」は、おおよそ以下の業務が求められます。

・新規事業の企画・戦略・計画立案とマネジメント
・新規事業のマーケティング、営業活動と予実管理
・戦略パートナーとのアライアンス契約、またはM&Aの実行 等

かなり多岐にわたる業務内容ですね。

それもそのはず。求人サイトを見ると、20代でも年収800万~1000万クラスの募集があるほど。まさに多くの企業が、欲しがる新時代の職種と言えるでしょう。

次に、「BizDev(ビズデブ)」を募集しているのは、どんな企業が多いのか、調べてみましょう。どうやら現在はスタートアップや外資系企業が大半のようです。しかし今後は大手企業をはじめ、中小企業でも「BizDev(ビズデブ)」のニーズは高まるに違いありません。

私と同様、「営業」「マーケティング」の書籍を出しているコンサルタントたちも断言しています。

「これからはビズデブの時代になる」

と。

なぜ、このように「BizDev(ビズデブ)」は求められるのでしょうか。
私が考える理由は以下の2つです。

  • 事業のライフサイクル短命化
  • 事業の新陳代謝の必要性

近年、事業のライフサイクルは急速に短くなっています。

たとえば、給与のデジタル払いが2023年から解禁します。デジタル通貨が普及すれば、金融業界の秩序が崩れていくのは明白です。

また、世界的な脱炭素の潮流を受け、日本の物流大手がEVシフトに動いています。ホンダは車のみならず二輪車も「脱炭素」化すると明言しました。

このように現在は多くの業界で、事業の新陳代謝が起きています。だからこそスピーディに事業を起ち上げ、成功に導く人材が求められているのです

とくに中小企業には不可欠でしょう。大企業ほど体力がないため、事業転換が遅ければ生き残ることが難しくなります。

「BizDev(ビズデブ)」に必要な3つのスキル

最後に「BizDev(ビズデブ)」を採用するなら、どのような人材がよいか。必要なスキル(というか要件)について考えてみます。

私の考えは以下の3つです。

1)強いマインド
2)経営者目線
3)水平思考

強いマインド

まず第一に、強靭な精神力。強いマインドが不可欠です。飛行機がテイクオフする様子をイメージすればいいでしょう。あの巨体が宙に浮き、上空1万メートルに達するのに必要なエネルギーです。相当な馬力がないと、新事業を軌道に乗せることなどできませんから。

経営者目線

第二に、経営者目線です。事業アライアンス、M&Aを直接的に主導できなくとも、目線は経営者のそれか、それ以上でなければいけません。つまり経営者に助言できるぐらいの視座の高さが不可欠で、それぐらいの知識と経験ぐらいは求められます。

水平思考

第三に、水平思考。イノベーティブ・シンキングとも言います。過去の延長線上でものを考えるのではなく、新しい発想を導きだす大胆さ、アイデア力も重要です。「過去にそんなプロモーションを実施したことがない」とか「従来そのような異業種とアライアンスを組んだことがない」といった声にもひるまない覚悟も必要でしょう。
 

マッキンゼーの試算によれば、2030年までの日本では1600万人が職を失い、1000万人が新たな職に就くと言います。数字の正確性はともかく、世界中で「産業シフト」が起こることは確実でしょう。

これからはスタートアップや外資系企業のみならず、大企業から中小企業にいたるまで、事業開発――「BizDev(ビズデブ)」という人材は、広く求められることになります

雇うことが難しいのであれば、「BizDev(ビズデブ)」の素質がある人材を育てていきましょう。

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長 横山 信弘
企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。支援先は、NTTドコモ、ソフトバンク、サントリー等の大企業から中小企業にいたるまで。3大メガバンク、野村證券等でも研修実績がある。企業研修は、基本的に価格がつけられず「時価」。にもかかわらず、研修依頼はあとを絶たない。現場でのコンサルティング支援を続けながらも、年間100回以上の講演実績は6年以上を継続。
ベストセラー「絶対達成シリーズ」の著者であり、メルマガ「草創花伝」は3.7万人の経営者、管理者が購読する。コラムニストとしても人気で、日経ビジネスオンライン、Yahoo!ニュースのコラムは年間2000万以上のPVを記録する。
著書『絶対達成マインドのつくり方』『「空気」で人を動かす』など著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。
アタックス・セールス・アソシエイツ オフィシャルサイト
横山信弘の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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