2024年度中小企業白書~勇気あるファーストペンギンを目指そう!

経営

2024年も5月に中小企業白書が開示されました。
▶2024年版「中小企業白書」全文 | 中小企業庁

今回は2024年版の中小企業白書で特に面白そうな部分をお話ししたいと思います。

今回の中小企業白書は、以下のようにまとめられています。

【第1部】
能登半島地震の被災地域の状況
新型コロナウイルス感染症の影響と対応
中小企業の現状と直面する課題

【第2部】
経営資源を確保して生産性の向上につなげていくための取り組み
成長につながり得る投資行動とそのための資金調達

ファーストペンギンとは

今回の中小企業白書で特に印象的だったのは、表紙です。

ペンギンが氷の上から飛び込む姿を描いています。

きっと「First Penguin(ファーストペンギン)」をイメージしているのだと思いました。

ファーストペンギンとは、集団行動する習性のあるペンギンの群れから、天敵がいるかもしれない海に最初に飛び込むペンギンを意味しています。

リスクを恐れず挑戦するベンチャー魂の持ち主を指すともいわれています。

そのファーストペンギンを特に意識したのは、第2部:環境変化に対応する中小企業 第3章でした。
▶第2部:環境変化に対応する中小企業 第3章

最初に中小企業を「経営方針」の内容で以下の3つに分類しています。

・新たな需要を獲得するための行動をするべき
・付加価値を高めるための行動をするべき
・損失を避けるために静観するべき(投資行動等は行わない)

成長率を大きく分けた“経営方針の違い”とは

2020年では、「新たな需要を獲得するための行動をするべき」という企業は30.3%、「損失を避けるために静観するべき(投資⾏動等は⾏なわない)」という企業は36.7%でした。

その後の結果は、売上高の変化率、経常利益の変化率、労働生産性の変化率のどれをとっても「新たな需要を獲得するための行動をするべき」と答えた企業の平均が、「損失を避けるために静観すべき(投資行動等は行わない)」と答えた企業の平均より、遥かに高い数値を示しています。

また、切り口は違いますが、
1)投資(設備投資やソフトウエアなどを含む)をした企業としなかった企業
2)M&Aを実施した企業としなかった企業
の比較をしています。

最終的に積極的に投資やM&Aを実施した企業の方が、売上高の変化率、経常利益率の変化率、労働生産性の変化率のすべての分野において、M&Aを実施しなかった企業よりも高かったようです。

M&A実施効果とは

一方でこんなデータもありました。

M&A実施効果についての満足度です。

やはり、異業種の事業を買収した企業よりも同業種の事業を買収した企業の方が、M&A実施の満足度も高かったようです。

M&A実施の満足度に関しては、M&A実施後にどんなことをすべきかを認識している企業の方が、特に考えていない企業より、高いようです。

M&Aを含めた投資に関しては、ただ単純に投資すればいいというわけではなく、常に「事業戦略を考え抜いて行くべき」であり、場当たり的なことを実施しても意味がないということも忘れてはならないようです。

とはいえ、ファーストペンギンのように勇気をもって飛び込まないと果実を取れないのも事実です。

中堅中小企業の皆様が、成功するファーストペンギンになれるよう、アタックスグループは、経営戦略の立案、それを落とし込んだ中期経営計画の策定、M&Aを含む戦略の実行まで、あらゆる段階でのサポートをさせていただきます。

お困りの経営者の方は是非お声がけください

過去記事紹介

筆者は過去の中小企業白書についても記事を公開しておりますので、ぜひご覧ください。
2022年版「中小企業白書」が経営者に諫言~「自己変革5つの障害」を乗り越えろ!
2023年版中小企業白書が提言~経営者の補佐役「右腕人材」「変革人材」とは?

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役会長
公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました