時代の転換期であった2023年
コロナ禍もおさまり、世間が以前の元気を取り戻しつつある2023年の年の瀬です。
皆さんにとって、この1年はどのような年だったでしょうか?
世界に目を向けてみますと、ロシアによるウクライナへのロシアからの侵略が終わらないうちに、今度はパレスチナとイスラエルの戦いが勃発しました。
また、円ドル相場は、1ドル=130円くらいから150円くらいを上下しています。15%くらいの変動幅です。
さらに、Chat GPTに代表されるAIの著しい発達に伴い、今後の仕事の在り方が劇的に変化するのではないかと予感します。
時代は変化しています。
人的資本経営とは
最近、「人的資本経営」という言葉をよく耳にします。
「人的資本経営」とは経産省のHPによると、下記の通りです。
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。
すなわち、我々がどのような経営をしていくべきかについての方向性を表したものです。
2023年度版 中小企業白書によりますと、人材戦略を「策定した」企業は、「策定しなかった」企業と比較して、従業員数増加率の水準が高いことが判明しています(Page II-45)。
また、同白書によりますと、経営戦略と人材戦略の紐づけを見ると、経営戦略と人材戦略を「紐づけた」企業は、「紐づけなかった」企業と比較して、売上高増加率の水準が高いことも判明しました(Page II-46)。
人材マネジメントを人事部任せにしない
2020年5月に経済産業省から公表された「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書~ 人材版伊藤レポート ~」のポイントは、以下のとおりです。
ポイントを短くまとめると、大きな環境変化の中にいる現在、私たちが経営の在り方を、その存在意義まで立ち返り、再定義することの重要性を示しています。
その上で、どんな人材(原文通り。ニュアンス的には、人財の方がいいかと思っています)が必要なのかを、人事部に任せるのではなく、経営陣も積極的に関与しながら、社内外に発信していくことが、重要です。
その視点から考えると、人材マネジメントは、
- 「人を管理する」というコスト的発想ではなく、「人を活用する」というインベストメント的発想に立脚すべき。
- 人事部がすべきメインの仕事は、「人事制度運用・改善」ではなく、「企業価値向上」のため経営戦略から落とし込んでいくことである。
- 雇用の在り方は、「終身雇用・年功序列型」ではなく、専門性をベースにした「多様でオープン」なものでなければならない。
などと、説明されています。
紙面の関係上、一部しかご紹介できませんが、ご興味のある方は、同報告書を是非、眺めてみてください。
まとめ
アタックスでは、人的資本経営の支援をしております。
一緒に自社の存在価値を考え、戦略を考え、必要な人材の要件定義を考え、その会社に必要な人事制度を人事部と一緒に考えます。
人的資本経営や人財教育投資を検討されている皆様は、お声かけください。
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筆者紹介
- アタックスグループ 代表パートナー
- 株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役会長
- 公認会計士・税理士 林 公一
- 1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
- 林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。