コロナウイルスの第5波が静まったと思ったところ、今度はオミクロンという新型ウィルスが出現し、第6波が心配になっています。
企業経営者は新型コロナウイルスとの闘いはまだまだ続くと想定し、経営の舵取りをしなければなりません。
ニューノーマル(新常態)の出現
コロナウイルスはやがて終息することになりますが、ウィズコロナ時代でニューノーマル(新常態)が出現し、我々がこれまで当たり前と思っていた価値観、常識、社会通念が大きく変化しています。
例を挙げれば、海外出張で飛び回って仕事をしていたが、リモートでも問題ないということに気付きました。
会議・セミナー・商談などもオンラインで十分でむしろ効率的になっています。
在宅勤務で仕事をする人もどんどん増えており、都心のオフィス需要は大きく減少しています。
是非これまで疑うことなく当たり前にやってきたことをゼロリセットで考え、見直して頂きたいです。
P・ドラッカーの「経営者に贈る5つの質問」
ダーウィンの進化論は「環境変化に適合した生物のみが生き残る」ということを我々に教えてくれました。
企業も生物と同じで環境変化に適合しなければ衰退してしまいます。
この意味で言えば企業は「環境適応業」なのです。
企業が環境変化に適合して事業を存続させる方法は人口動態、技術革新など自社を取り巻く環境変化を冷静に予測し、顧客が納得して購入してくれる商品やサービス(顧客価値)を提供し続けることです。
ところでP・ドラッカーは経営者に「経営者に贈る5つの質問」を自問自答することを投げかけました。
② 我々の顧客は誰か
③ 顧客にとっての価値は何か
④ 我々にとっての成果は何か
⑤ 我々の計画は何か
の5つです。
筆者は5つの質問の中で①②③が極めて重要だと思っています。
特に近年は脱炭素革命でSDGsが大企業を筆頭に強く意識され始めており、ミッションをより高い次元のパーパス(社会課題の解決)として掲げる企業が増えています。
是非経営者の皆様にはパーパスを意識し、自社のミッションを再考することで自社の顧客は誰か、顧客が自社の商品サービスに求める価値は何か、を考え直すことをおすすめします。
①②③が明確になれば結果として、目標とすべき成果(④)、成果を達成する為の計画(⑤)も期限付きで明確になると思います。
ゴールセット(ムーンショット)の重要性
大事なことは「いつまでに何を」というゴールセット(ムーンショット)であると思います。
最近のトヨタの例を述べてみます。
昨年末、トヨタの豊田章男社長は100年に一度と言われる自動車産業の大変革時代を乗り切る、新たなEV(電気自動車)戦略を発表しました。
2022~30年で電動化投資に8兆円を当てると述べており、EVに4兆円、車載電池に2兆円、車両開発に2兆円を振り向ける計画です。
また2030年にEVを世界で350万台販売する目標も発表しています。
トヨタは本年2月、静岡県裾野市の子会社の工場跡地に未来型実験都市「ウーブンシティ」の建設に着手していますが、今回の豊田社長のEV戦略発表も不退転で大競争時代を乗り切る決意の表れではないでしょうか。
ニューノーマルな時代に既成概念や成功体験は通用しません。
経営者自らが「変化の時こそチャンスである」という信念を持ち、変革のビジョン・戦略を示し社員全員の力を結集し更に成長して頂くことを願っています。
なお、アタックスグループは「事業再構築補助金」申請に当たり必要となる、認定経営革新支援機関となっていますので、関心のある経営者様は、(株)アタックス・ビジネス・コンサルティングまで是非お問い合わせください。
筆者紹介
- アタックスグループ 代表パートナー公認会計士・税理士 丸山 弘昭
- 数百社のクライアントについて「経営のドクター」として、経営・税務顧問、経営管理制度の構築・改善、経営戦略・経営計画策定、相続対策・事業承継、M&Aなどを中心としたコンサルティング業務に従事。幅広いネットワークと数多くの実績を生かし、経営者の参謀役、「社長の最良の相談相手」として活躍中。
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