生産性向上に挑む!~中小企業が環境変化を生き抜く条件とは?

経営

早いもので、2019年最後のコラムとなりました。
今年も「生産性」という言葉を切り口に、一年を締めくくりたいと思います。

中小企業にとって生産性向上が重要なワケ

「中小企業の生産性」という言葉で検索をかけてみますと、平成29年10月に経済産業省がまとめた「中小企業・小規模事業者の生産性向上について」というレポートを見つけました。

それによると、

「20年(1996年→2016年)を平均でみれば中小企業の生産性は下がっているが、大企業の生産性は向上している。中小企業でも生産性の高いところは、成長投資を積極的に取り組んでいる。」

ということでした。

一方、同じ平成29年の4月に中小企業庁から「事業承継マニュアル」が発表され、親族内承継だけでなく親族外承継も含めて事業承継というようになりました。

すなわち、事業を継続できるのであれば(言い換えれば、社員の雇用が守れるのであれば)次期社長は誰でもいいというのが、国のスタンスというわけです。

さらに、平成31年4月に発表された「中小企業白書」の重要なテーマは、経営者の世代交代と中小企業による自己変革でした。

世代交代や自己変革がうまくいかなかった企業は、生き残っていくことが難しいことを明記しています。

事実、中小企業庁の統計「中小企業の企業数・事業所数」によりますと
廃業も含め中小企業数は、

2012年:385万
2014年:380万
2016年:357万

と過去4年間で10%弱減っています。

働き方改革を実行する上で、生産性向上は絶対条件です。
すべての企業で人材が不足している今、生産性が低く労働時間が長く、給与水準が低い企業に人は集まりません。

合理的に考えるならば、生産性の低い中小企業から生産性の高い大企業に人材がシフトしていくということもあり得るでしょう。

だからこそ国は、中小企業の働き方を含めた経営改革の推進が必須と考え、事業承継に関しても、その承継マニュアルで親族内承継にこだわることなく、親族外承継の道を明記したのだと思います。

国は、今まで以上に中小企業にその成果を求めると思います。
なかでも経営者を守るのではなく、事業(さらには雇用)を守ることに重点を置いてくるでしょう。

令和の時代を乗り切る中小企業とは

厳しい言い方をすれば、会社を延命させるようなモラトリアム法のようなものは今後期待できません。生産性の低い企業に対しては、市場からの退出を求められます。

今後、中小企業の経済環境はますます厳しくなっていきます。

当然、お客様との良好な関係維持は経営者にとって非常に大切なことです。
しかし、それ以上に重要なことは、社内に目を向け改革を断行し、強い組織を作ることに他なりません。

経営者は、仕事の質を高め、社員のモチベーションが高まるよう、経営の仕組みを真剣に考えることが重要です。

アタックスグループは、計画経営の推進、組織の制度改革や風土改革を通じて、企業の生産性向上に関与していきたいと思っています。
何かご相談あれば、こちらまでご相談ください。

本コラムはアタックスグループが総力をあげて配信して参りました。
一年間お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。来年も皆さまのお役に立つ情報を発信して参ります。

来たる2020年が、皆さまにとりまして、素晴らしい年になりますことを祈念致しまして、本年最後のご挨拶とさせていただきます!

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役会長
公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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