生成AIで社会が変わる、変化の時こそチャンス

経営

コロナ禍を経て起きた変化

2020年3月から感染が広まった新型コロナウイルスは2023年5月、5類感染症に移行し、ようやく終焉に向かっています。

コロナ禍で、感染を防ぐために企業も個人も様々な対応を迫られましたが、これまで手つかずであった問題が解決されたことも多くあります。

例えば、非対面非接触で仕事を行うオンラインでの会議、商談は一気に進み、無駄な出張がなくなり働き方は改善されました。

当社でも恒久的在宅勤務制度に移行し、働き方の自由度が高まり、セミナー事業(アタックス・ビジネス・セミナー)は新入社員研修以外はすべてオンラインに代わりました。

セミナールームが不要になり賃借コストが削減できたという実利もありました。

流動的な環境変化を乗り切るには

ところでコロナパンデミックという環境変化にいち早く適応した企業(そして個人も)は総じて元気になっています。

ダーウインは進化論で「環境変化に適合した生物のみ生き残る」ということを教えてくれました。

当たり前のことですが、企業も生物と同じで環境変化に適合しなければ存続できません。

ドラッカーから学ぶ企業の目的

偉大な経営学者であったピーター・F・ドラッカーは(以下、ドラッカー)

企業の目的はただ一つ、それは顧客の創造である

と言っています。

このドラッカーの言葉は、企業が環境変化に適合し、存続するための事業の定義と理解することができます。企業は製品・サービスを提供し、それらに価値を認め購入してくれる顧客がいて初めて存続することができます。

ドラッカーは

「顧客の創造」をするために企業は「マーケティングとイノベーション」という2つの基本的な活動をしなければならない

と言っています。

マーケティングとは

マーケティングは顧客が抱いているニーズを探すことです。

すでに顕在化されたニーズのみならず潜在的なニーズの探索が重要で、その為には時代の大きな環境変化に注目し、社会課題の解決につながるニーズを探すことが求められます。

また、消費者の価値観、日常生活の変化にも着目し、身近な新たなニーズを探すことも大事です。

イノベーションとは

イノベーション活動はより優れ、より経済的に製品・サービスを顧客に提供する活動です。

著名な経済学者であったヨーゼフ・シュンペーターは

企業家の創造的破壊活動によって資本主義経済は発展する

と言いました。

創造的破壊活動には企業家が行うイノベーションが必要です。

イノベーションは偉大な発見というよりは多くは既存の技術を組み合わせによる新結合であり、これによって新たな価値を生み出し市場を開拓することが出来ます。

つまり、イノベーション活動は技術革新という狭い概念ではなく、既存の技術を組み合わせて新市場を開拓すること、新しい販売組織で新市場を開拓することなども含まれるのです。

以上のマーケティングとイノベーション活動によって新たに出現した事業は、インターネットを活用したビジネスを始め数多く存在しています(東京証券取引所のグロース市場に新規上場している会社の事業はその代表例です)。

生成AIによる企業活動への変化

ところで昨年の大きな技術革新の一つにチャットGPTに代表される生成AIがあります。

今後、生成AIが様々な分野で企業経営と個人の働き方に大きな変革を迫る時代が間違いなくやってきます。

生成AIの進化で人間の仕事が奪われる領域がどんどん広がり不安視する人もいますが、筆者は常々AIはIAでなければならないと思っています。

AIはArtificial intelligenceですが、IAとはIntelligent Assistantということです。

つまり、働く人のアシスタントがAIであるということです。

これからはAIを使って働く人はAIを利用し自らの能力を拡張していくことで生産性が飛躍的に高まり新たな価値創造に貢献できます。

また、自動車産業の発展で多くの関連事業が出現したように、AIの発展で医療、教育、再生エネルギーなど様々な分野で多くのAI関連事業が生まれてきます。

中堅中小企業こそAIを導入すべき

現在、競争力強化、他社との差別化を目的としたAIの経営への実装は大企業で急速に進んでいますが、人材難時代を考えるとこれからはむしろ中堅中小企業こそ利用を進めるべきです。

自社の存続発展を担う経営トップ・経営幹部はAIを意識して中長期経営戦略を考え、「変化の時こそチャンスである」という信念でAI時代を乗り切ることを期待しています。

具体的には中期経営計画を策定する際にAIの出現で自社の事業にどのような影響が出るのか、自社ではどのように使いこなすことができるのかという観点で機会と脅威を検討し、社員に対しては生成AIの研修・勉強の機会を設けることから始めるとよいと思います。

当社のアタックス・ビジネス・セミナーでも会員様向けに生成AIのセミナーを企画したいと考えています。

アタックスグループでは経営計画・業績管理制度・人事評価制度を三位一体となって機能させるコンサルティング「経営計画の策定」を行っております。

お困りの経営者の方は是非お声がけください。

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー公認会計士・税理士 丸山 弘昭
数百社のクライアントについて「経営のドクター」として、経営・税務顧問、経営管理制度の構築・改善、経営戦略・経営計画策定、相続対策・事業承継、M&Aなどを中心としたコンサルティング業務に従事。幅広いネットワークと数多くの実績を生かし、経営者の参謀役、「社長の最良の相談相手」として活躍中。
丸山弘昭の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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