“営業の基礎教育”が激増している理由とは?

営業

従来の営業のやり方が通用しない

昨今、営業の基礎教育に関するご相談が増えています。

営業の仕事は、会社や業種によって多種多様です。歴史のある会社には、その会社特有のやり方があり、その方法で上手く成果を出していたとしても、多くの会社では、過去のやり方が通用しなくなってきています。

そのような会社の多くが、自己流のやり方で営業活動を行い、属人的な手法をとっているケースが多く、個人の力量に任している会社が散見されます。

その結果、新しく入った営業担当者を上手く教育することができない組織や、必要な売り上げの確保ができなくなった会社から、営業活動の基礎を教えてほしいという依頼が増えています。

現状の営業活動の問題点とは?

現状の営業活動をヒアリングすると、様々な問題点が見つかります。最大の問題は、営業活動先のターゲット選定を行っていないことです。

なぜそう考えるかというと、営業の売り上げ目標を達成するためには、購入していただける販売余地(以下、ポテンシャル)のあるお客様をターゲットに設定することが、重要だからです。

当たり前のことだと思われるかもしれませんが、ヒアリングの際、営業のターゲットや案件などを確認すると、見込みのないお客様がターゲットになっていることが少なくありません。

安定して目標を達成している営業には、あまりそのようなことはないのですが、目標が達成できない営業には多く見受けられます。

目標達成できない組織の誤ったターゲット選定

事例1
お客様が取引先4社から購入している中、当社が購入先の1社であった場合に、お客様側の購入ルール上、各社最大シェア25%と決められているにも関わらず、当社のシェアを40%にしようと考えてターゲット設定をしてもなかなか牙城を崩すことはできません。
事例2
お客様の資本関係があるグループの中に、既に購入先があるにも関わらず、当社が同じ商材で入り込みをかけようとターゲット設定をしても、よほどの理由が無い限り、入り込むことは難しいといえます。
事例3
小規模な顧客がターゲットの場合では、購入予算が立たないお客様をターゲットにしても難しく、ローンの審査に通らないお客様をターゲットにしても、買っていただくことはできません。

これらは極端な事例ではありますが、実際に、ターゲット設定を売れない営業担当者に任せているとそもそもポテンシャルのない先をターゲットにして、活動しているケースが少なくありません。

リアルタイムな顧客のポテンシャルを把握できているか?

新規のターゲットに関しては、コンタクトしてからでないと、実際のポテンシャルがわからないケースがあります。

しかし、既存のお客様に関して、現状を正しく把握していないがために、以前は購入していただけたが、現在のお客様の状況や事情が変わっているということに、営業が気づけていないケースがあります。

そのようなお客様に期待していても目標に必要な売り上げを確保することはできません。

当然、営業活動は、すべてが上手くいくわけではなく、ポテンシャルがあるからといって、必ず購入していただける訳ではありませんが、見込みのないお客様に注力をしていても、目標に対する不足分を埋めることはできません。

そのため、お客様のポテンシャルを把握して、ターゲット設定をする必要があります。

ポテンシャルを確認する切り口とは?

この点は、業種、業態を問わず、営業の誰もが、理解して活動する必要があると考えています。

ポテンシャルのあるなしは、あくまでも仮説にはなりますが、インターネットをはじめとした様々な外部情報と、お客様との会話の中から、ある程度の仮説を立てて選択することができます。

例えば、既存のお客様に現在販売している商品を更にシェアアップできる可能性はどこまであるか。

また、現在販売している商品以外にも販売できる商品の可能性はどれぐらいあるか。

他にも、既存のお客様とは別の部署、別の拠点でも当社の商品を販売できる可能性はどれくらいあるか。

こういった切り口でも、ポテンシャルの確認をすることができます。

新規のお客様であれば、業種、従業員規模、売り上げ、決算状況などから、当社の商品を購入いただける先であるか、仮説を立てることができます。

当然ターゲット設定した後、購入いただくまでの活動も必要ではありますが、まずは、ポテンシャルのある先を正しく選定することが最も重要であり、ターゲット設定は営業活動の基礎といえます。

売れない営業の基礎教育を進める際には、ぜひ、その根幹であるポテンシャルのあるターゲット設定の考え方から進めていただくことをお勧めします。

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 主任コンサルタント 山北 陽平
富士通グループ主力販売会社を経て、株式会社アタックスへ入社。前職では企業向けのモバイルソリューション販売に従事。 【エリア別法人営業 :250人中/1位の販売実績】企業間アライアンス構築、新規ビジネス推進プロジェクトを数多く経験し、新規顧客開拓、販売チャネル開拓を得意としている。アタックス・セールス・アソシエイツ入社後は、前職での営業経験を生かし、『正しい手順に基づいた組織営業』を定着させること、『正しい販路開拓をコーディネート』することをテーマに現在クライアント営業組織の目標予算達成に必要な、行動改革から戦略構築支援を展開している。また、研修講師として、独自開催している若手営業パーソン向けセミナー【絶対達成スピード講座】は営業パーソンの意識と行動スピードを短時間で改善させる体験型セミナーとして、多くの経営者、営業マネジャーから「なかなか変わらない部下に是非受けさせたいインパクトの強いセミナー」と大変高い評価を受けており、常に集客前直後には満員御礼になってしまう人気セミナーの講師としても活躍している。
山北陽平の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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