「あの人からひどいことを言われた」
「お客様から難題を突きつけられている」
「夫と家の購入について意見が合わない」
あなたにはこのようなお悩みはありませんか?
考えてみると、私たちが抱えている悩ましい問題はすべて人間関係が原因です。人間関係が良くなれば悩みも少なくなり、幸福感も増すことでしょう。
そして、そのためにはコミュニケーション能力を向上させることが必要なのです。
では、人間関係を良くするためには、どういうことに気を付ければ良いのでしょうか。その大切なものの一つが「話の聞き方」です。
聞き方一つで関係は驚くほど良くなる
人は、自分の話を笑顔でうなずきながら聞いてくれる人に100%好感を持ちます。そして逆の立場になった場合、その人の話をきちんと聞こうとします。
一方、人の話をいい加減な態度で中途半端に聞く人には余り良い印象は持てません。
「話の聞き方」一つで、人間関係は驚くほど良くなるのです。
しかし、単にうなずいて聞くだけでは不十分です。もう少し相手の立場に立った聞き方をすれば、更に人間関係を良くすることができます。
話し上手は聞き上手
話し方の本を読むと『話し上手は聞き上手』という言葉をしばしば目にします。この言葉について、私は次のように解釈しています。
話が伝わったか伝わらなかったかを判断するのはあくまで話の聞き手です。
従って、伝わる話をするためには、聞き手が考えていることや感じていることに沿って話をする必要があります。
そしてそのためには、聞き手の感情や思考をつかむまで相手の話をしっかりと聞くことが肝要です。
そうすることで、相手の感情や考えに沿って噛み合う話ができ、「あなたは話が上手だね」と言ってもらえます。
また、自分の話をきちんと聞いてくれるあなたに、相手は間違いなく好感を持つのです。
このことを、例を示して解説しましょう。
実は相手の話をきちんと聞いていない例
A:「この間、家族とUSJに行ってきたんだ」
B:「USJか!いいね~。でも、人が一杯でとても混んで込んでたんじゃない?」
A:「そうなんだよ。特に外国からきた人が多かったな~」
B:「やっぱりね~。この頃はどこも人で一杯だよね。最近は通勤電車もメチャクチャ混んでるし」
A:「そうそう、すっかりコロナ前に戻ったね」
二人の会話は噛み合っていているように見えます。しかし、実はAさんはUSJで娘さん二人が大喜びしてはしゃいだ姿がかわいくて仕方がなかった、という話しをしたかったとしたら、どうでしょうか?
Bさんが、人が多いという話をしてしまったために、Aさんは本来話したかった娘さん達の話ができていません。
Aさんは、Bさんのことを「自分勝手な話をする人だなぁ」と思っているかも知れません。
相手の話をきちんと聞いている例
相手の話を聞く場合は、話の方向性が見えるまで自分の考えで話を進めないことが肝心です。
A:「この間、家族とUSJに行ってきたんだ」
B:「ほう、家族でUSJか~。いいね~。で、どうだった?」
A:「いやぁ、久しぶりなので娘達が大喜びでね~。嬉しそうな顔を見ているとこっちまで嬉しくなったよ!」
B:「そうなんだ。子供はUSJ、好きだよね」
A:「そうなんだ。特にね、~~~」
BさんはAさんがどんな話をしたいのか、ある程度わかるまで相手の話したこと以外のことは言っていません。
Aさんの話をオウム返しに繰り返しているだけです。
話を繰り返しているだけだと、相手の話を聴いていないようで物足りないと思われるかも知れません。
しかし、話したい話題がある相手には全く気にならないものです。
この例では話を聴くだけで終わっていますが、相手の言いたいことをつかんだので、Bさんはこの後Aさんと噛み合った話ができます。
話を聞くことはビジネスでもとても大切
このように、まず相手の話を相手の立場に立って聞き切り、それから自分の話をすることはビジネスでも極めて重要なことです。
相手の言いたいことをつかまずに一方的に自分の言いたいことを話したのでは、まとまる話もまとまりません。
ぜひ話しをする際には、まず相手の話をしっかり聞くことを意識してください。
コミュニケーションスキルを磨きましょう!
良いコミュニケーションの取り方は学べば誰でも身につけることができます。コミュニケーションは才能ではなくスキルだからです。
日本話し方センターでは、お互いの人間関係が良くなるコミュニケーションの取り方を、社内研修という形でも提供しています。
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筆者紹介
- 株式会社日本話し方センター 代表取締役社長 中小企業診断士 横田 章剛
- 神戸大学卒業後、メガバンクにてシステム開発、役員会事務局等のガバナンスや主計関連業務、税務関連業務に従事。アタックスに入社後、グループ全体の経営企画、総務、法務、財務等の間接部門全般を統括。その後、日本話し方センターの代表取締役社長に就任し、大企業及び中小企業の組織運営経験、及び、中小企業診断士の知識を活かしつつ、話し方、コミュニケーション、ロジカル・シンキング、ファシリテーション等の分野の指導に従事。