部門別業績管理を評価に反映させる「成果配分ルール」
「部門別業績測定ルール」について社員の理解と納得が得られるようになったら、次に測定結果を使って業績評価するための「成果配分ルール」を決めます。
成果配分ルールは、
- (ルール1)会社全体の業績配分額を決定するルール
- (ルール2)ルール1 で決定された全社配分額を部門別に配分するルール
- (ルール3)ルール2 で決定された部門配分額を個人に配分するルール
に分けて考えることができます。
ルール1:会社全体の業績配分額を決定する
ルール1は、会社の業績から「全社の成果配分額」を決めるものですので、社員がわかりやすく単純なルールが望ましいと言えます。
例を挙げれば、以下のようなルールです。
(例1)営業利益×X%
(例2)(営業利益-会社最低留保営業利益)×X%
(例3)営業利益の(実績-予算)×X%
ルール2:全社配分額を部門別に配分する
ルール2は、全社配分額を部門別に配分するルールですから、一般的にはルール1よりも複雑なルールとなります。
部門の「貢献利益額」または「直接利益額」に応じて部門へ分配するのが最も単純な方法ですが、この方式では部門の特殊性、条件格差が一切考慮されないことになり、単純であるがゆえに問題も生じやすいと言えます。
一般的には、部門の貢献利益(または直接利益)の「予算達成率」に加えて、いくつかの重点指標(たとえば一人当たり付加価値目標達成率、新規顧客開拓件数、金額など)に配分額のウェイトづけをします。
そして、全社総配分額をそれぞれの指標をもちいて部門別に配分する(下図ルール2参照)、といったプロフィットセンターのメンバーに公平感と納得性のあるルールにすることが重要です。
なお、管理部門のようなコストセンターについては、プロフィットセンターの平均水準(つまり会社全体の業績)で部門配分をするのが一般的です。
ルール3:部門配分額を個人に分配する
ルール3は、部門配分額を個人に分配するルールですから、人事考課制度によって配分ルールを決めることになります。
個人配分額の決定は、基本的には全社統一の評価ルールにもとづいて部門長が中心となって行うべきです。
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筆者紹介
- アタックスグループ 代表パートナー 公認会計士・税理士 丸山 弘昭
- 数百社のクライアントについて「経営のドクター」として、経営・税務顧問、経営管理制度の構築・改善、経営戦略・経営計画策定、相続対策・事業承継、M&Aなどを中心としたコンサルティング業務に従事。幅広いネットワークと数多くの実績を生かし、経営者の参謀役、「社長の最良の相談相手」として活躍中。
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