ファミリーの資産承継に悩むM氏 | アタックス税理士法人 国際部

ファミリーの資産承継に悩むM氏

将来、子供たちにどうやって大きな負担を負わせることなく、資産を引き継げるかについて日々、頭を悩ませています。資産の引継ぎについて、どうしていくものか、さあ困った、どうしよう

顧客プロフィール

中古の投資不動産に対して建築リノベーションを行って再販売する事業を営むM氏。
事業も順調に拡大し、会社の従業員も十数名となって、ある程度仕事を任せられる幹部も育ってきています。一方で、M氏自身、昨今の日本の経済情勢を憂いて不安を感じています。今後のビジネスの展開としては、海外も視野に入れるべきではないかと考えています。

BEFORE

M氏には2人のお子さんがいて、長男は現在スイスに留学させています。

事業は順調に拡大していますが、今の日本の経済情勢を考えると、今後のビジネスについては日本だけでではなく海外も含めて行うべきと考えており、そうしたことも踏まえたお子さんの留学でした。

また、ファミリーとしての資産承継についても日本の相続税等の負担は大変です。将来的にはお子さんたちとの海外移住も必要なのではないかと考え始めていました。

AFTER

事業の形態や内容によっては、日本だけにとどまらず海外で事業を展開させることができればそれだけビジネスの幅は広がり、チャンスの機会も多くなります。

また、M氏が考えるとおり、日本の相続税の最高税率は55%に達し、その税負担は当然に重いものです。ファミリーの資産承継については、日本の税制の適用があるのであればそのルールに沿って資産承継しなければなりません。

海外で事業を展開させることができる業種業態によってはビジネスオーナーの海外移住の可能性は高まりますし、事業を引き継いてくれる後継者も海外にいるという事であれば、資産の承継自体も日本の税制から離れたところでの検討が可能となります。

日本の税制上、ビジネスオーナーが海外へ移住(国外転出)する場合には、まず「出国税」への対応が必要となります。

「出国税」とは、正式には「国外転出時課税」と言われ、国内の居住者が国外へ移住等する際に、所有している自社株を含む有価証券等の含み益に対して課税がされます。M氏が所有する自社株の時価が1億円以上であれば、実際に有価証券等を売却等していなくても、精算したものと「みなして」所得税が課税されます。

また、M氏が保有する海外の資産を子供たちに贈与や相続で移転させる場合でも、10年以内にM氏と子供たちが日本に居住していれば、海外に住んでいたとしても日本の贈与税や相続税の対象となるため、日本の税制を理解した移住計画や資産の海外移転が重要となります。

こうした「出国税」への対応や日本の贈与・相続税への間違いのない対応のため、当社へのご相談となりました。

そこで、今後のM氏の会社の中期経営計画の確認やお子さんたちの生活予定等について数回にわたって面談を行い、M氏自身の海外移住のタイミングや海外での事業の展開方針について検討を行いました。

M氏が行なったステップは以下の通りです。

  • 中期経営計画の確認
    弊社がまずM氏の会社の「中期経営計画」の確認を行い、ビジネスでの大きな再投資やM氏の退職時期を想定し、自社株の含み益が相対的に少なくなる時期の特定
  • コストや資金調達方法の検討
    出国税の負担額や移転コスト、海外で投資を想定した場合の資金の調達方法の検討
  • 情報収集
    希望する海外移住先のリストをもとに、海外投資先、移住先情報の収集



    今後は、ご長男の海外での就業状況を見据えて以下を検討していきます。
  • スケジュール設定
    海外投資先、移住先の具体的検討とスケジュール設定
  • 移転計画策定等
    海外での会社設立、株主設定、国内M氏会社株式の移転計画策定など

弊社の国際税務のプロがビジネスオーナーのご希望や現状把握を行います。その後、想定される状況やイベントに合わせた適切なご提案を行います。

時間の経過やビジネスの事情で状況が変化したとしても常に伴走し、臨機応変に対応させて頂きます。

ファミリーの資産承継や事業の海外展開でお困りの方(ファミリーコンサルティングサービス)は、ぜひこちらからお問い合わせください。

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