概況編のコラムにおいて、シンガポールの面積や人口等紹介しました。
日本と比較し税率が低い国として知られるシンガポールですが、今回は個別の税制をご紹介する前に税務統計(2018年度)に関する情報をご紹介します。
◆税収
502億シンガポールドル(約4兆円)
構成比
- 所得税 54.2%(法人所得税 29.8%、個人所得税21.4%、源泉所得税 3.0%)
- 消費税 21.8%
- 印紙税 9.8%
- その他固定資産税、カジノ税など
◆税制及び税収の特徴
- 法体系として、法人税、所得税の区分がなく、法人所得、個人所得に対する関する規定が所得税としてまとめられています。
- 相続税は2008年に廃止されています。つまり、相続税や贈与税は課税されません。
- 消費税(GST)は7%です。日本と同様で、高齢化が進んでおり、税収確保の目的から消費税増税の議論が行われています。
◆所得水準に関して
富裕層の移住先候補に挙がるシンガポールですが、国民全体でみた所得水準は次のようになっています。
個人所得税の納税者数 182万人
最も多い所得層は、S$30,001~40,000 33万人(18.4%)になります。日本円換算すると240万円~320万円の所得水準になります。
また、S$1,000,001以上の所得を獲得する納税者は5千人(0.3%)ほどとなっています。
税収からみた課題としては、高齢化に対応した税制の必要性と税収の確保です。
税収面に関する議論は消費税(GST)を中心に行われています。
日本と同じように、これまでは消費税増税議論は国政選挙に影響を与えていました。
来年、選挙が行われる年に当たるため、今後の税制改正が注目されます。
次回のシンガポールコラムでは、法人所得税や個人所得税の主な特徴を紹介する予定をしています。