動画投稿サイトYou Tubeを運営するGoogleが、本年6月より、米国外に住むYou Tuberへの支払に対して、源泉徴収を始めると話題にあがり、各国のYou Tuberに波紋を広げています。
You Tubeの収入が減額される?
Googleは世界各地のYou Tuberに「重要な変更」を通知しており、「早ければ6月から、米国での税金分を源泉徴収する」との内容で、総収入の24%が源泉徴収されるという事です。
You Tuberの受け取る広告料(動画についた広告の再生回数に応じ、Googleから受け取る仕組み)を、Googleは「米国税法の観点からロイヤルティとみなされるよう利用規約が変更される」とし、著作物に対する使用料として源泉徴収するという見解を示しています。その為、6月以降のYou Tubeによる収入は源泉徴収される事となります。
源泉徴収額は取り戻せるの?
日本の居住者において、この源泉徴収税額については、確定申告で外国税額控除を適用する事はできないと考えられる為、源泉徴収された場合には、日本と米国で二重課税が所持る恐れがあり、You Tuberとしては手取金額にダイレクトに影響し看過できないのではないでしょうか。
救済措置はないのか?
日本と米国では、租税条約を締結しているので、手続きをすれば源泉徴収を回避できます。具体的には、Googleに対してマイナンバー等の情報を提供(Google AdSenseでできます)すれば、完了であり、5月末に間に合わなかった場合でも、本年内に手続きすれば、源泉徴収された金額を返還するとGoogleは発表されています。ただし、米国と租税条約のない国については、上記のような特典はありません。
国際税務の傾向としては、今まで課税権(課税できるかどうか)が曖昧で課税されていなかった取引についても、税法を厳格に適用する事により、課税される場合が散見されます。特にインターネットや電子商取引等は注目されていますので、注意が必要です。
ある日、突然に課税されたら、その根拠を追究する事を忘れないでください。
Google AdSense
https://support.google.com/youtube/answer/10391362?hl=ja#zippy=
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