日本居住者は諸外国のどこで働いて稼得して収益については、全世界所得課税となり 最終的に日本で課税されることになります。
では、日本非居住者は日本ではどのような場合に課税されるのでしょうか。
今回は非居住者が日本で働いた場合における日本での関税関係を説明していきます。
日本の所得税法では、個人の納税義務者を「居住者」と「非居住者」に、法人を「内国法人」と「外国法人」とに分けた上で、「非居住者又は外国法人(以下「非居住者等」といいます。)」に対する課税の範囲を「国内源泉所得に限る」こととされています。
また、「国内源泉所得」を有する「非居住者等」がどのような「国内源泉所得」を有するか、支店や事業所などの「恒久的施設」を有するか否か、「国内源泉所得」が「恒久的施設に帰せられる所得」か否かにより、課税方法が異なります。
したがって「非居住者等」に該当した場合の課税がどのようになるかを考えるときは、「非居住者等」の収入がどの種類の「国内源泉所得」に該当するか、国内に「恒久的施設」を有するかどうか、さらに「国内源泉所得」が「恒久的施設に帰せられる所得」かどうかを確認することが必要です。
所得税法においては、その納付すべき税額の課税方式として、申告納税方式と源泉徴収方式が採用されています。
例えば、恒久的施設を有する非居住者に対する使用料等の対価について、その対価が恒久的施設に帰せられる所得である場合は、源泉徴収の上、申告納税方式を原則としていますが、その対価が恒久的施設に帰せられない所得である場合は、原則として源泉徴収のみで課税関係が完結する源泉分離課税方式が基本となっています。
また、「恒久的施設」を有しない非居住者に対する使用料等の対価については、源泉徴収のみで課税関係が完結する源泉分離課税方式が基本となっています。
実務上では、「源泉分離課税」で完結しているのに、「申告納税方式」で確定申告をしている場合が見受けられますので、しっかりと確認するようにして下さい。
次回以降に国内源泉所得に該当するかの判断について記載します。
【追記 2020年6月5日】『非居住者に対する課税のしくみ その②~非居住者に対する国内源泉所得ってなに?~』を更新しました。