タックスヘイブン対策税制を再確認 ~海外子会社の租税負担割合と事業実態を確認~ | アタックス税理士法人 国際部

タックスヘイブン対策税制を再確認 ~海外子会社の租税負担割合と事業実態を確認~

2020年5月22日

タックスヘイブン税制とは、軽課税国に所在する海外子会社等の所得を、その株主である内国法人や居住者の所得に合算して法人税や所得税を課税する制度です。

この制度は、日本より税負担の低い外国の子会社に所得を移転させることにより、日本での税負担を減少させる租税回避行為を防止する事を目的としています。

では、どのような場合にこの制度が適用されるかを外国の子会社に課せられる税率に着目し、確認していきます。タックスヘイブン税制の判定における税率は、外国での課税所得に対する税額の割合(租税負担割合といいます)を使用します。

1.租税負担割合が30%以上の場合

タックスヘイブン税制の適用対象外となります。

2.租税負担割合が20%以上30%未満の場合

海外子会社等が、

  • ペーパーカンパニー
  • 事実上のキャッシュボックス
  • ブラックリスト国所在(現在は対象国はありません

に該当する場合には、タックスヘイブン税制の対象となり、会社単位の合算対象となります。

3.租税負担割合が20%未満の場合

①海外子会社等が、経済活動基準をすべて満たす場合には、その会社の受動的所得のみが合算対象となります。

経済活動基準とは・・・ 事業実態があるかどうかを判定する以下の基準です。

・事業基準 ・実体基準 ・管理支配基準・所在地基準・非関連者基準

受動所得の例・・・・・利息や不動産の賃料のように事業活動を行わなくても獲得できる所得をいいます。

②海外子会社等が、経済活動基準を満たさない場合には、会社単位の合算対象となります。

上述のように、租税負担割合によって制度の適用を受ける要件が違うので、注意が必要です。まずは、自社の海外子会社の租税負担割合を確認してください。次に、どのような要件を満たす 必要があるのかを認識いただければと思います 。

各要件については、次回以降のコラムで解説いたします。

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