前月号執筆時と状況は大きく変わらず、新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」)はエリアに偏りはあるものの
依然として患者数が各地で発生しています。国境を跨いでビジネスをする企業、事業家にとっても、対策、予防
に心がけうまく付き合いながら経済活動を継続するより他ありません。
シンガポールでは、感染者数は落ち着いており、街中でも徐々に元の状態に戻りつつあります。ただ、観光客が 渡航しませんので、以前のような活気ある状況ではないようです。
8月に行われた両国の外務大臣会談で議論された両国間の往来についてですが、一定の制約を設けながらビジネス目的
の往来が9月18日より可能になりました。ビジネス目的の渡航に限定、コロナ陰性の証明書と行動計画の提出等
の要件がありますが、詳細な要件、規制は公式発表をご確認ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/page22_003415.html
さて、これまでのコラムで、コロナにより経済成長率が鈍化し、また、国政選挙によっても国民の不満が顕在化した
結果となった旨、お伝えをしてきました。
今回も、引き続き労働ビザ(EP)に関する情報をお伝えをします。
■最低賃金の引上げ
6月30日に当ウェブサイトに掲載した「シンガポールにおけるビザ事情~その②労働ビザ(EP)について」でお話を
しましたように、EPを取得するための条件として、最低賃金が定められています。 10月より、その最低賃金の水準
が引き上げられました。 今年の5月に行われた引き上げに続き、さらに引き上げられることになります。
これまで月額3,600SGDであった最低賃金が、5月に月額3,900SGDに引き上げられ、さらに10月より月額4,500SDG
に引き上げられました。
短期間の間に月額900SGD、日本円にすると約7万円の月額最低賃金が引き上げられたことになります。
日本企業にとっては、現地駐在コストが増加することになります。
40代の人財の場合は、上記水準に2倍程度としており、駐在にかかるコストの面で、日本企業としてはシンガポール に置く拠点に管理職人財を配置する意思決定に対する障壁なることは間違いありません。
コロナの影響でシンガポール人の雇用不安が増す中、政府は外国人の受け入れをより厳格化せざるを得ません。
今後も経済状況により随時改正等が行われていくことが想定されます。
今後も様々な情報をご提供していきますので、ご期待ください。