タックスヘイブン税制の改正により確認すべきこと~その⑤海外子会社は経済活動基準を充足するか | アタックス税理士法人 国際部

タックスヘイブン税制の改正により確認すべきこと~その⑤海外子会社は経済活動基準を充足するか

2020年12月11日

以前のコラムでも記載したとおり、租税負担割合が20%以上の場合には、ペーパーカンパニーもしくは事実上のキャッシュボックス(詳細はコラムその②、その③を参照)に該当するかどうかを 判定することになります。

では、租税負担割合が20%未満の場合についてはどうでしょうか。

この場合は、経済活動基準を満たすかどうかで、海外子会社の所得を合算するかどうか決まります。具体的には、以下の項目が1つでも「NO」と判定された場合には、海外子会社の所得が合算されます。逆にすべて「YES」と判定された場合には、海外子会社の所得のうち、一部分を合算することとなります。

  1. 主たる事業が株式の保有等の事業以外か
  2. 本店所在地国に事業所等の固定資産を有しているか
  3. 本店所在地国で事業の管理・支配および運営を自ら行っているか
  4. 卸売業、銀行業、信託業、保険業、水運業、航空運送業などで、事業を主として非関連者との間で行っているか
  5. 上記以外の製造業、小売業、加工業などで、事業を主として本店所在地国で行っているか

ポイントは、全ての要件を満たさなければ、会社単位の合算になる事です。

したがって、形式的には、子会社の本店所在地に事務所があり、役員が常駐して経営をしている事が、必要条件となります。また、③の「管理・支配および運営を自ら行う」という要件は、国税局Q&Aによれば、総合的に判断するという前提を置いた上で、子会社が事業計画を作成し、取引条件等の意思決定を行う事が、運営を自ら行うという認識とされています。最近は、国税庁も通達やQ&Aを頻繁に公表していますので、留意してください。

なお、改正された当該税法では、経済活動基準を満たすことを明らかにする書類の保存を要件としていますので、注意しておきたいポイントです。

国税庁Q&A

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/180111/pdf/01.pdf

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