非居住者に対する課税のしくみ~その⑤ 不動産の賃借料を支払ったときはどうなるの?~ | アタックス税理士法人 国際部

非居住者に対する課税のしくみ~その⑤ 不動産の賃借料を支払ったときはどうなるの?~

2020年12月24日

日本国内で不動産契約を行う場合に賃借料の支払先が、

 ①外国法人(日本に住所がない会社)

 ②非居住者(日本に住所がない人)

の場合は 通常(日本の内国法人もしくは日本居住者との)の契約とは異なり、注意が必要です。

では、何に注意する必要があるのでしょうか。

それは、「所得税の源泉徴収」です。

今回は、賃借料にかかる所得税の源泉徴収についてお話します。

不動産の賃借料に対する源泉徴収って何?

外国法人や非居住者(以下「非居住者等」といいます)が日本国内に所有している不動産を借り受けて、日本国内で賃借料を支払う内国法人(日本に住所がある会社)や個人(日本に住所があるすべての人)は、

その家賃の支払の際に20.42%の所得税を源泉徴収しなければなりません。

その、源泉徴収の対象となる「不動産の賃借(貸)料」ですが、主なものとして、「国内にある不動産、不動産の上に存する権利の貸付けによる対価」となっています。

なお、不動産の賃借料のうち、「個人が自分や親族が居住するために借り受けた土地、家屋等の賃借料」については所得税の源泉徴収をする必要はありませんので、間違えないようにして下さい。

また、日本が締結している多くの租税条約では、不動産がある国で課税できる(土地等の不動産の賃貸料については、不動産の所在する国においても課税できる)となっています。

したがって、非居住者等に対して日本国内にある不動産の賃借料を支払った場合には、租税条約においてもその非居住者等が受領した賃貸料について、日本で課税できることになっています。

通常は租税条約が優先されますが、不動産の賃借料については、「租税条約よりも国内法の規定により課税をする」ことになります。

所得税の源泉徴収を納める時期はいつまで

非居住者等に対して、国内において支払った不動産の賃借料にかかる所得税の源泉徴収は、原則として、支払った月の翌月10日までに納めなければなりません。

また、不動産の賃借料なので、法定調書にかかる支払調書も必要になります。合わせて、忘れないようにして下さい。

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