ビジネストラック体験談~シンガポール滞在編①~ | アタックス税理士法人 国際部

ビジネストラック体験談~シンガポール滞在編①~

2021年1月8日

新型コロナウィルス感染症(以下、「コロナ」)の患者数が連日ほぼゼロのシンガポールでは、2020年12月28日からフェーズ3の段階に規制が緩和され、1グループあたりの飲食が5人から8人まで認められ、また、自宅へ8人まで招待できるようになる、小規模なコンサートや宗教行事等ができるようになるなど、規制が緩和されます。

さて、2020年11月下旬にビジネストラックを利用しシンガポールに戻りましたので、前回の渡航準備編に続き、 滞在編をお届けします。

チャンギ空港到着

通常であれば、昼夜問わず飛行機が離発着し、様々な国からの渡航者であふれるチャンギ空港ですが、非常に閑散としています。

各所に設置された体温センサーと監視員の横目に見ながら、入国審査へ向かいます。就労ビザを保有している場合でも、対面のカウンターで入国審査をうけ、持参した必要書類の確認が行われます。その後、PCR検査に進みます。検査後は、手配したハイヤーで予約したホテルまで移動することになります。

14日間の行動規制期間

①PCR陰性結果が届くまで

空港で受検した結果がメールで送られてきます。陰性結果がでるまではホテルの部屋からは一歩も外へ出ることはできません。 結果が出るまでの時間は5~6時間です。

私の場合も、朝6時に検査し、深夜便での移動でしたので、ホテル到着後、仮眠をとっている間に陰性連絡が届きました。部屋から出られない時間も、ホテルに食事を頼んだり、Grabのデリバリーサービス(日本でいうUber Eats)がありますので、飲食には不自由せず、部屋の環境や窓の有無によりますが、快適に過ごすことはできます。

②14日間の行動規制

陰性結果がでると、その後は前もって提出した行動計画に沿って行動します。ビジネス目的での渡航ですので、ホテルと仕事先の往復のみに行動範囲は限定され、食事や生活必需品の購入時のときは外出が許されます。

ただし、ビジネスによる外出も、この期間は公共交通機関が使えませんので、徒歩かハイヤーでの移動になります。ハイヤーは片道50~60ドル必要になりますので、頻繁に移動を繰り返すとかなりのコストになります。

食事も原則一人でとることが義務付けられ、接触アプリで行動履歴が把握されます。 

行動計画に記載した場合、ビジネスのための5人以下での会食は許可されています。行動計画も随時変更することができるため、突発の食事会等も柔軟に対応できます。 ただこの期間は、タクシーを含め公共交通機関が使えないため、会食後も徒歩でホテルに戻るか、ハイヤーを手配しての移動になります。

この期間の行動履歴に関する問い合わせは、ビジネストラックを申請するスポンサー側に連絡があり、行動計画に沿った行動が行われているか、接触アプリの使用が徹底されているかなど状況の確認が適宜行われます。

③14日経過後

行動規制期間が過ぎれば、ホテルを出て、自宅に戻ることができ、日々の行動も国の通常の規制に従って生活できるようになります。

現地の状況(感染対策)

①マスク

屋内、屋外問わずマスク着用が義務付けられています。しっかり鼻まで覆うことが求められており、常夏の国でマスクを着けて外に出るのは非常に不快ではありますが、都心部は多くの人が集まるため、感染防止策として徹底した運用が行われています。違反者には初犯300ドルの罰金、重犯の場合は裁判所に呼び出しという厳しい制度となっています。

街中にはたくさんの監視カメラがありますから、都心部、郊外問わず皆さんしっかりと着用しています。 飲食店でも、飲食物が提供される直前まではマスク着用が徹底されていて、飲食が終わって歓談する際もマスクを着用します。定期的に行政のチェックが行われるため、店側もお客さんにマスク着用を促す声がけするなどの対応をとっています。

②接触アプリ

各建物や飲食店の入り口にはQRコードやバーコード読み取り機が設置され、入館、入店時には体温チェックとともに、接触アプリでQRコードを読み取るか、ビザなど身分証明書のバーコード情報を提供するかのどちらかが求められています。スマートフォンが使えないお年寄りには、たまごっちほどの器機が配布されています。このように各人の行動履歴が把握できる仕組みが導入されています。

次回のコラムでは、滞在編第2弾としまして、現地の街中の様子等をご報告します。

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