ビジネストラック体験談~シンガポール滞在編②~ | アタックス税理士法人 国際部

ビジネストラック体験談~シンガポール滞在編②~

2021年2月5日

日本では、新型コロナウィルス感染症(以下、「コロナ」)の拡大に歯止めがかからず、再度、ビジネストラックによる渡航が停止されるに至りました。

国境を越えて事業を展開する会社にとっては大きなマイナスの影響であり、経済活動にも大きなマイナス影響をもたらします。

さて、今回は昨年末にビジネストラックを利用しシンガポールに戻った際の現地の様子を、現地滞在編第2弾としてお届けします。

経済状況

経済状況はよくないといってよいでしょう。

テナントの撤退、閉店が至るとこでみられ、会社の清算の相談もよく舞い込んできます。

雇用情勢も経済と同様で低迷しています。 

採用市場には多くの募集があり、会計事務所の募集枠に某大手航空会社の元キャビンアテンドが多数応募してくるような状況です。

政府も国民の雇用を守るため、EPなどのビザ発行をより厳格に行っており、日本法人からみると今後の駐在員人事など現地子会社の人事戦略にも大きな影響が出そうです。

今後もコロナによる影響が長期化した場合、経済状況がさらにどのように変化するのかが懸念されます。

オフィス環境

業種によっても異なりますが、オフィスに出勤する人数を雇用人数の半分以下にするよう求められています。

当局の定期的な検査もあり、各社はその基準を遵守する傾向にあります。 

当局の検査により改善命令がでると、改善策の報告や当局のモニタリングなど監視が強化されてしまいます。

当局が検査に至る経緯として多いのが、従業員からのタレコミです。

現地のローカル人材の多くは1時間ほどかけて自宅からCBDとよばれる中心地にあるオフィスへ通勤します。

当然のことながら、往復の通勤時間が有効に使えるため、在宅勤務の方が望まれる傾向にあります。

仮に雇用主が出社を求めた場合や基準を超える出勤人数となった場合に、従業員が当局にタレコミ、検査に発展する事例が散見されます。

飲食店

滞在中、非常に驚いた点は、どの飲食店も非常に混雑しているということです。

感染対策のフェーズに併せて、営業時間や1グループあたりの人数が制限されますが、全体的に混んでいます。

週末はもちろんのこと、平日の夕食予約もとることが非常に困難な状況です。

コロナの影響で、海外に行くことができず、消費の大半が国内で行われるようになりました。

その典型が、飲食といえるでしょう。

お酒が入ると決して安いとは言えないシンガポールの外食事情ですが、お金の使い道が内需中心になりますので、消費が外食産業に向けられる傾向にあります。

ただ、すべての飲食店が恩恵を受けている状況ではなく、人気のある店にさらに客が集中する傾向にあります。

ラーメン屋や日本の定食屋など、現地でいうと割高なお店は閉店している傾向にあり、空室となった物件も多数見られます。

次回は、日本への帰路編をお届けします。

感染拡大とともに一時、問題になりました「ザル入国」の現状も体験しましたので、様子をお届けできればと思っています。

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