海外口座とは?海外赴任時の重要性について | アタックス税理士法人 国際部

海外口座とは?海外赴任時の重要性について

2024年5月31日

海外赴任や駐在予定の方は、渡航前に給与の受け取りや現地での決済方法について把握しておくべきでしょう。結論として、海外口座は作っておくのが安心です。

本コラムでは、海外口座を持つ重要性や開設手順について紹介しています。帰国時の口座解約や日本への送金といった注意点についても押さえました。

海外口座の開設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

海外口座とは?海外赴任時の重要性について

海外口座は、海外に本店がある銀行の口座を指します。海外口座を活用するメリットは、駐在している間、現地の通貨を引き出せる点です。

例えばアメリカに赴任する場合、給与が日本口座に入金されると、現地で使うたびに為替手数料を払って換金する必要があります。2024年現在は円安傾向にあるため、日本円で給与を受け取ると実際に使える米ドルは減ってしまいます。

一方、現地口座に米ドルで給与を受け取れば、為替レートに左右されません。このような利点から、海外赴任を控えている場合は海外口座の開設が重要視されます。

海外口座の開設手順

海外口座の開設は、現地の窓口で手続きする方法が一般的ではありますが、日本にいながらでも開設できます。

海外口座の開設手順は、以下の3ステップです。

  1. 開設する海外口座の選定
  2. 必要書類の用意(本人確認書類や外国人登録証など)
  3. オンライン・郵送などの手続き

赴任に向けた準備と併せて、必要書類の用意やオンライン・郵送などの手続きを行う必要があります。なかには、「平日に休みが取れなくて役所に必要書類を取りに行けない」「外国語で口座開設の手続きを行えるか不安」と感じる方もいるでしょう。

そのため海外口座開設の手続きは、金融機関とよく相談して進めることをおすすめします。不明点や疑問点があれば、コールセンターでサポートしてくれる場合があります。

海外赴任に関連する海外口座の注意点

海外口座を開設すると、赴任先での給与といった資金管理を効率的に行えます。ただし、以下3パターンの注意点があります。

  • 海外赴任先で死亡した場合
  • 日本に帰国した場合の解約
  • 赴任先から日本への送金

「口座解約のために再度現地に行かなければいけなくなった」「日本への送金に時間がかかり住宅ローンの支払いが遅れてしまった」などとならないよう、注意点を押さえましょう。

海外赴任先で死亡した場合

万が一海外赴任先で死亡した場合、相続までの流れに注意する必要があります。

アメリカやイギリスなどの国では、相続手続きについて裁判所管理のもと行う「プロベート」が適用されます。この過程により、遺産を相続する際は海外口座も解約されますが、相続や解約を完了するまでに年単位の時間がかかるのが一般的です。

※「プロべート」についてはコチもご参照ください。

このように、国によって海外口座の相続手続きが日本とは異なる点を覚えておきましょう。

日本に帰国した場合の解約

海外の銀行によっては、現地の窓口に出向かないと解約できないケースがあります。日本に帰国してから「郵送やオンラインでの解約手続きは不可」と知った場合、再度現地に足を運ばなければなりません。

また、使わないからといって海外口座の入出金をしないまま放置すると、口座が凍結されてしまう恐れがあります。帰国が決まったら解約手続きが窓口のみであるかを確認し、必要であれば手続きを済ませておくよう心がけましょう。

赴任先から日本への送金

海外口座から日本の銀行への送金には1〜6営業日ほどかかります。特に、週末や祝日を挟む場合は、日本口座の着金まで時間を要する点を覚えておきましょう。

また、海外口座から日本の銀行への送金には、中継銀行を経由します。そのため各種手数料の支払いが必要です。

  • 送金手数料
  • 受取手数料
  • 為替手数料
  • 中継銀行手数料
  • リフティングチャージ料

なお、海外口座から日本へ送金する際には、このほかに為替レートの影響も受けます。日本円の価値が高い状況を見計らい、送金の判断をしましょう。

海外赴任の際は海外口座の開設をおすすめします

海外で長期駐在する方は、海外口座を開設しておくと便利です。海外口座の開設により、赴任先・駐在先で手軽に現地通貨を引き出せるほか、為替レートに左右されずに給与を受け取れます。

ただし、赴任先で死亡した場合や帰国する場合の解約方法など、いくつか注意点があります。日本とは異なる点もあるため、金融機関とよく相談して進めましょう。

その他、国際税務に関してお困りの際は、私たちアタックス税理士法人へお声がけください。

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