海外口座開設時の強みと懸念点は?外貨預金との違い | アタックス税理士法人 国際部

海外口座開設時の強みと懸念点は?外貨預金との違い

2024年6月28日

海外口座の開設には、強みだけでなく懸念点もあります。海外口座を開設する際は、両面ともに把握したうえで判断すべきです。

本コラムでは、海外口座と外貨預金との違いや、開設する「良し悪し」について紹介します。

海外口座の開設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

海外口座とは?外貨預金との違いを解説

海外口座は、外国の銀行が運営している口座を指します。

外貨預金との違いは、現地通貨の引き出しの可否です。海外口座は、現地の通貨を現金で引き出せます。例えば、アメリカの銀行口座を持っていれば、現地で米ドルを引き出すことが可能です。

一方、外貨預金は現地通貨を引き出せないことが一般的です。外貨預金は、あくまでも日本の金融機関に外貨を預けています。

つまり、海外に長期間滞在する場合は、外貨預金よりも海外口座の保有が便利だといえるでしょう。

海外口座を開設する3つの強み

海外赴任・駐在する方にとって、海外口座を保有する強みを3つ説明します。海外口座の開設を考えている方は、必要性について理解しておきましょう。

為替リスクを軽減できる

海外赴任・駐在する場合は、海外口座から現地通貨で受け取ると為替リスクを軽減できます。

アメリカに赴任するケースでは、ドルと円の為替相場に注意が必要です。2024年は円安が続く見通しで、日本円で給与を受け取ると、現地での生活資金(米ドル)は少なくなります。さらに、日本円しか保有していないと、円の価値が大幅に下落した際に大きな損失を被るでしょう。

利便性の向上につながる

海外口座を持っていると、現地での資金のやり取りがスムーズに行えます。現地の通貨を即座に引き出せるためです。

海外に滞在すると、クレジットカードではなく現金のやり取りが必要なケースが出てきます。チップや公共交通機関の利用などがこれに該当します。

必要なときに現地の通貨をすぐに引き出せるのは、海外赴任や駐在などで長期滞在する方にとっては魅力に感じるでしょう。

投資用途として活用できる

海外口座は、現地での生活を支えるだけでなく、投資目的としても使えます。

既に証券口座を保有している場合は、利用制限がかかる可能性があります。例えば、赴任中は日本の金融商品の新規買付けができません。またNISA口座の場合、海外駐在が5年以上になる際は解約する必要があります。

海外口座なら、日本口座と比べて有利な条件で外貨投資が可能です。ただし、赴任先の経済状況によっては、投資に適していない通貨もあることを頭に入れておきましょう。

海外口座を開設する際の懸念点

海外口座の開設には、良い点だけでなく考えておきたい事柄もあります。こちらでは、開設前に知っておくべき懸念点を2つ説明します。

「海外口座についてもっと調べるべきだった」と後悔しないよう、注意点を押さえておきましょう。

海外銀行ならではのルールがある

海外口座を開設後、入出金しないまま放置すると口座が凍結される恐れがあります。海外赴任を終える際には、できるだけ帰国前に解約手続きを済ませておきましょう。

また、アメリカなど一部の銀行では、特定の州や地域のみに支店を構えている可能性があります。他行経由だと入出金に手数料が必要になるため、赴任先に開設予定の銀行の支店やATMがあるのかを確認しておくと安心です。

毎月銀行口座の維持費が必要になる

海外銀行によっては、口座の維持費が求められます。

例えば、アメリカでは毎月10〜15ドルの維持費が必要です。また、スイス銀行の口座の種類によっては、月3〜7スイス・フラン(約530~1,250円)が徴収されます。

このように、利用しない期間が長いと口座の維持費の出費が多くなります。とはいえ、口座の残高が多い場合や一定額の利用がある場合は、維持費がかからないケースもあります。駐在期間が終了し、今後使用する可能性がないのであれば、維持費がかかる海外口座は早めに解約しましょう。

海外赴任時は現地の口座開設を検討しよう

海外赴任の予定がある方は、現地の口座を開設しておくのがおすすめです。

為替リスクを軽減できたり、現地での資金のやり取りが円滑になったりします。加えて、投資目的としても活用できます。

とはいえ、海外口座には慎重に考えたい事柄があるのも事実です。海外銀行ならではのルールや毎月の維持費の有無などをよく確認し、海外赴任へ備えましょう。

なお、海外口座の開設手順や注意点は別コラムにて解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

海外口座とは?海外赴任時の重要性について

編集者アタックス税理士法人 国際部 編集チーム

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