海外不動産への投資は、近年では投資家のみならず広い層から注目されています。海外の不動産に投資する良い点として、新たな収益源の確保やリスクの分散が挙げられます。
ただし、注意点も少なからずあるので、しっかりと理解を深めておくべきです。本コラムでは、海外不動産が注目されている理由、税金面での注意点についても解説します。
海外不動産への投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
海外不動産への投資が注目されている背景
海外不動産への投資が注目されている理由は、日本と比べ不動産価格が上昇している国がいくつかあるためです。主な例としてアメリカが挙げられますが、人口増加や経済成長している国では不動産価値が上昇している傾向があります。
不動産は、通貨や株式と同様にポートフォリオに組める資産です。不動産価格が購入時点から高騰すれば、売却益（キャピタルゲイン）も見込めます。また、家賃収入によって稼ぐ方法（インカムゲイン）もあります。
海外不動産への投資を行う2つの良い点
海外不動産へ投資を行うと以下2つの良い点が見込めます。
- 高い利回りにより効率的に資産運用できる
- 資産の分散によるリスクを回避
ここでは利回りとリスク分散の視点から、海外不動産へ投資する強みを解説します。
高い利回りにより効率的に資産運用できる可能性が高い
海外不動産へ投資する大きな動機は、高い利回り（投資額に対する収益の割合）により効率的に資産運用できる可能性がある点です。
国内では、新型コロナウイルス感染症を起因とするREIT（不動産投資信託）の不調が見られて久しい状況です。一方、アメリカの住宅価格指数は2012年から右肩上がりに伸びています。そのため、海外不動産はドル為替市場の影響に負けじと、高い利回りを期待できるでしょう。
資産の分散によるリスクを回避しやすい
複数ある投資先の一つとして海外不動産に資産を分散すれば、あらゆるリスクから回避しやすくなる点も良い点です。
例えば、日本の都市圏で大規模な災害が発生した場合、倒壊や浸水などの要因で不動産価格が下落する恐れがあります。ほかにも国内で大不況が発生したときも、不動産価格が下がりやすくなります。こういった状況でも海外不動産の価値が上昇していれば、実質的なリスクヘッジにつながるでしょう。
海外不動産への投資における注意点
海外不動産への投資は、失敗すると損失が発生するリスクもあります。ここで解説する注意点も踏まえ、海外不動産への投資を検討してみましょう。
為替の影響を考慮しなければならない
海外不動産への投資は、住宅価格だけではなく為替の影響も考慮しなければなりません。例えば円安時に物件を購入し円高時に売却すると、為替差益はマイナスとなります。
不動産価格の動向にもよりますが、円高に振れると収益性は下がってしまいます。為替は国際関係や政治家の発言など、様々な要因で変動するため、予測が難しい点に注意が必要です。
海外不動産に投資する際は、為替変動リスクも考慮した上で、慎重に検討してください。
融資を受けるのが難しいケースがある
融資を受けるのが難しいところも、海外不動産に投資する際の注意点に挙げられます。国内では、海外不動産に対する融資を認めてくれる金融機関が限られてしまいます。
海外の金融機関を利用する方法もありますが、言語や制度が全く異なるのでハードルが高いと感じるかもしれません。また資金を借りられたとしても、金利が高く設定される場合もあります。
注意しておくべき各種税金の取り扱い
海外不動産へ投資する際の税金について、アメリカで物件を購入した場合を例に整理します。
所得税は外国税額控除の対象となるため、両国で確定申告が必要となります。不動産譲渡税についても、別途州税がかかる可能性があるため、留意してください。
なお、短期譲渡所得は不動産の所有期間が５年以下。長期譲渡所得は所有期間が５年を超える場合を指します。上記の表のとおり、長期譲渡の方が税制面で有利になります。
また、年によって税制が変わることもあるので、税制改革には注意が必要です。
海外不動産への投資はリスク対策が肝要
投資先として注目されている海外不動産は、収益源を確保できるなどの良い点がある一方で、リスクも少なからず存在します。国内不動産の投資とも態様が異なるので、初めて投資する場合はリスク対策を立てておくべきです。
海外不動産への投資に不安のある方は、専門家によるサポートがおすすめです。ついてはアタックス税理士法人国際部へお気軽にご相談ください。
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編集者：アタックス税理士法人 国際部 編集チーム