グループ通算制度と外国税額控除の関係は。通知義務って何? | アタックス税理士法人 国際部

グループ通算制度と外国税額控除の関係は。通知義務って何?

2021年9月3日

令和4年4月1日以後開始事業年度から、いよいよ「グループ通算制度」が適用されます。

グループ通算制度の適用にあたり様々なケースが想定されますが、その中でも国際税務関連として「外国税額の控除に係る通知義務」についての税務上の取扱い等について、国税局からQAで明確にされました。

新たな内容としては、通算法人が外国税額控除の適用を受ける事業年度後に、外国税額控除限度額の計算の基礎となる金額が当初申告額と異なった場合には他の通算法人への通知義務があります。

今回はこの通知に係る内容について、説明します。

通算法人が外国税額控除の規定の適用を受ける事業年度後の事業年度において、外国税額控除限度額の計算の基礎となる一定の金額が当初申告額と異なることとなった場合には他の通算法人に対して通知義務がある

その通知はどのように行うこととなるのでしょうか。

この通知については、法令上、通知すべき事項は定められていますが、その通知の方法及び様式等は特段定められていません。

したがって、通算法人と他の通算法人との間で任意の方法により通知を行うことになります。

通知内容は、おおむね次のようになっています。

外国税額の控除(法69)の規定の適用を受けている通算法人が、その規定の適用を受ける事業年度(通算事業年度)及び地方法人税法第7条に規定する課税事業年度(通算課税事業年度)後において、次に掲げる金額のいずれかが当初申告額と異なることとなった場合には、他の通算法人(その通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人)に対し、その異なることとなった次に掲げる金額を通知しなければならない

こととされています。

  1. その通算法人のその通算事業年度の所得に対する法人税の額
  2. その通算法人のその通算事業年度の所得金額
  3. その通算法人のその通算事業年度の課税国外所得金額
  4. その通算法人のその通算事業年度の加算前国外所得金額
  5. その通算法人のその通算課税事業年度の地方法人税の額

なお、この通知義務は、外国税額の控除の規定の適用を受けていない通算法人や通算グループを離脱した法人についても過去の通算事業年度及び通算課税事業年度の上記⑴から⑸までに掲げる金額がその後に変動した場合には、その義務が課されることとされています。

また、法令上、通知すべき事項として上記に掲げる金額が定められています。

この通知については、通算法人と他の通算法人という民間において行われるものであることから、法令等においてその通知の方法及び様式等は特段定められていません。したがって、通算法人と他の通算法人との間で任意の方法により通知を行うことになります。

グループ通算制度を検討している企業は、この通知義務について、記載内容や通知の有無についても、確認が必要です。

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