中国人留学生のアルバイト代は所得税がかかるの?中国人留学生のバイト給与の免税撤廃へ | アタックス税理士法人 国際部

中国人留学生のアルバイト代は所得税がかかるの?中国人留学生のバイト給与の免税撤廃へ

2022年7月5日

コロナウイルスで海外からの留学生は減少しましたが、外国人の受け入れを再開する中、コロナ前のように中国人留学生など海外からの留学生をアルバイトとして雇う場合は多いと思います。

留学生のアルバイトの取り扱い

Q.中国から来日した大学生をアルバイトとして雇っています。この大学生については租税条約による所得税の免税措置を受けられるのでしょうか。

A.専ら教育を受けるために日本に滞在する学生で、現に中国の居住者である者又はその滞在の直前に中国の居住者であった者が、その生計、教育のために受け取る給付又は所得は、免税とされます(日中租税協定第21条)。 したがって、中国から来日した大学生の日本での生活費や学費に充てる程度のアルバイト代であれば、免税とされます。

(注1) 源泉徴収の段階で免税措置を受けるためには、給与等の支払者を経由して「租税条約に関する届出書」を、その給与等の支払者の所轄税務署長に提出する必要があります(租税条約等実施特例省令第8条)。

※ 租税条約の規定に基づき源泉徴収税額の免除を受けるための手続は、コチラを参照。

中国以外でも、韓国やインドネシア等から来日した大学生が受け取るアルバイト代についても免税となる場合がありますが、それぞれ滞在期間や収入金額などに制限を設けられているため、注意が必要です。但し、中国(韓国、インドネシア等)以外の一定の国からの留学生は免税とされません。

免税規定の改正検討

今回、免税規定に改正について6月25日の産経新聞に記事がでました。

日本でアルバイトをする中国人留学生に適用されている給与の免税措置の撤廃に向け、政府が日中租税条約の改正を検討していることが25日、分かった。

給与の免税措置は留学生の交流促進を図る目的で導入されたが、滞在国で課税を受けるという近年の国際標準に合わせる。同条約の21条では、教育を受けるために日本に滞在する中国人留学生が生計や教育のために得る給与を免税扱いにしている。

雇用先の企業を通じて必要な届け出をすれば、生活費や学費に充てるためのアルバイト代は源泉徴収の対象とならず、課税されない。免税措置は、中国に滞在する日本人留学生にも同様に適用される。ただ、日本で働く中国人留学生に比べ、中国でアルバイトを希望する日本人留学生は限られる。

また、日本人留学生が中国で就労許可を受けるハードルも高いとされ、中国人留学生が免税を受けるケースの方が圧倒的に多いとみられる。

近年では留学生が受け取るアルバイト給与について、居住する滞在国で課税を受けることが国際標準となっている。このため政府は米国やシンガポール、マレーシアなどとの租税条約を改正する際に、免税規定を削除してきた。 一方、中国以外でも韓国やフィリピン、インドネシアなど、免税規定が残る条約もある。

今後の対応

中国からの留学生については免税規定がありましたが、今後は改正も見込まれるため、今まで通りにいかない場合も想定する必要がでてくるでしょう。

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