コロナによる中国人技能実習生の取り扱い | アタックス税理士法人 国際部

コロナによる中国人技能実習生の取り扱い

2022年10月7日

コロナウイルスもかなり落ち着いてきました(2022年10月時点)。日本も外国人の規制が無くなってきており、以前のように日本への入国や出国もスムーズになってきました。皆様の海外出張や出向、海外子会社の従業員が来日して研修するという機会も増えてきたのではないでしょうか。

その中で、今回は中国人技能実習生の取り扱いについて触れてみたいと思います。

中国人技能実習生について

中国人技能実習生について、仲介業者を通じて雇用しているケースは多いかと思います。通常時は1年雇用で中国に帰国し、また別の中国人技能実習生が来日するという流れが多いのではないでしょうか。この場合中国人技能実習生に対する給料については、日本中国租税条約に関する届出を提出し免税として取り扱い源泉徴収は発生しません。

国税庁参考HP

問題となるケース

コロナの影響で、雇用した中国人技能実習生が帰国できず、1年経過後もそのまま雇用している場合です。この場合は、通常は斡旋業者から、当該実習生は、「特定活動」という区分になったため、『租税条約による免税』の対象外になりましたと連絡があるはずです(注:特定活動は、29種類ある在留資格のうちの1つで、技能実習生が技能実習以外に仕事を行うために、特定活動の在留資格をもらって日本で働く場合が多いです)。

さて、この場合ですが、日本での課税関係はどうなるのでしょうか。

日本での取り扱い

1年以上、日本にいる事実からいっても『日本居住者』となります。従って、1年以上滞在することが分かった日から「日本居住者」となり、年末調整または、確定申告が必要です。日本滞在が1年となるまでは、租税条約により免税となります。

ポイント

実務では、中国人技能実習生に支払う給料については源泉徴収をせず全額支払っています。ただ、1年を経過しても源泉徴収をせずに免税としているケースが見受けられます

これは、仲介業者からの「特定活動」となった連絡がなかったり遅かったりするためです。その結果として、企業として源泉徴収もれが発生してしまします。しかも徴収もれの事実が判明した時点で中国人技能実習生が帰国している場合、本人から源泉徴収ができませんので、尚更悩ましい課税関係が残ってしまいます。

今一度、中国人技能実習生を雇用している企業は、滞在期間を確認してみてください。おもわぬ「課税リスク」が潜んでいるかもしれません。

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