国税庁は2023年4月11日、「調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例」 を公表しました。これは、調査課所管の約350法人における法人税申告書を集計し、申告内容の誤りが多かった事例について、その状況を取りまとめたものです。
この中で、誤りが多かった事例があり、「外国税額の控除等に関する誤り」が明示されています。それ以外にも、いくつかの誤りが多かった事例が紹介されています。
外国額控除等に関する誤りとは
・ 別表六(二)の「その他の国外源泉所得に係る当期利益又は当期欠損の額」欄の金額が、税引後の金額になっていなかった。
・外国法人税に該当しない税を記載していた。
・別表六(四)の8欄(納付外国法人税額の税率)が、租税条約の限度税率を超えていた。
実務でよく出てくる箇所です。記載事例もあるので、チェクリストとしても活用できるのではないでしょうか。
その他主な誤りとは
- 前業年度以前に所得金額に加算した有価証券等の評価損の額について、当事業年度に売却等の減算事由が生じたものを減算していなかった。
- 「非支配目的株式等の受取配当等の額」欄の金額に、非支配目的株式等に係る配当等の額に該当しないものを含めていた。
- 役員に対する給与の額のうち、定期同額給与、事前確定届出給与及び損金となる業績連動給与のいずれにも該当しないものの額を別表四で加算していなかった。
- 「試験研究費の額」欄の金額が、申告調整額を加減算した税務上の金額となっていなかった。
いずれも、よく見ると基本的な事項です。今一度「調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例」を確認するとともに「申告書確認表」を活用して、事前に間違いを防ぐようにしましょう。