グローバル経済の進んだ近年では、日本で働く外国人労働者も増加しており、企業は日本人と外国人で適用される税制の違いに注意する必要があります。
今回は、外国人労働者への給与の支払い時および年末調整の際に、注意すべき事項について解説します。
解説するにあたり、外国人労働者を以下のように区分し取り扱いを確認していきます。
① 居住者
日本に住所(生活の拠点)がある、または、現在まで引き続いて1年以上継続して居住している方です。 就労ビザの有無も参考に判定します。
■給与・賞与:扶養控除申告書の提出をした人は「甲欄適用」で源泉徴収します。
※租税条約の有無により、税額の減額が受けられる場合があります。
■年末調整:各種所得控除を行い、年末調整をします。
[年末調整する際の注意事項]
扶養控除の対象者の判定に注意が必要です。
外国人労働者の扶養者の範囲は、国内 および国外にいる生計を一にする扶養親族です。
また扶養親族は「6親等内の血族と3親等内の姻族」が対象です。
外国にいる扶養親族であることを証明するためには、親族である事と生計を一にする事を証明しなければいけません。
◇親族である事は、以下のどちらかの書類が必要になります。
- 戸籍の附票と旅券の写し
- 外国の行政が発効する書類で、当該親族の氏名・住所・生年月日の記載があるもの
◇生計を一にする証明としては以下の書類が必要です。
- 外国への送金が証明できる書類
例えば、金融機関発行の送金証明書やクレジットカードの利用明細書などが該当し、送金額についても、外国での生活をするのに十分な金額であることが必要となります。
② 非居住者
居住者に該当しない方(外国に生活の拠点がある方)。ワーキングホリデーも非居住者となります。
■給与・賞与:支給額の20.42%を源泉徴収します。
■年末調整:年末調整は行いません。