確定申告が必要な場合は次の通りです。
給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には、日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。
非居住者の場合、国内源泉所得(例えば、国内不動産の賃貸料収入など)のみが課税対象とされ、日本の法人の役員の場合を除き、海外勤務に基づき支給される給与は課税されません。
ところが、帰国後は居住者となりますので、国内源泉所得に限らず全ての所得が課税の対象となります。
なお、帰国後の勤務(海外勤務、国内勤務問いません)に対する給与については年末調整の対象になります。
したがって、確定申告は帰国前の国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除きます)と帰国後の全ての所得を合計して計算することになりますので、1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があります。
確定申告に際して適用する各種所得控除について、注意する点は以下のとおりです。
1.医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除の各控除の額は、居住者期間(帰国後)に支払ったこれらの金額を基として計算します。
2.配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦(夫)控除、勤労学生控除の各控除の額は、その年の12月31日の現況により判定したところで計算します。